液タブはデジタルに最適なツール!アナログ以上の利便性に注目!
PCで絵を描く場合、主な道具としてマウスと板タブがあります。
マウスの場合は主にドット絵などを描くときに便利ですが思い通りの線を描くことは難しいでしょう。
また板タブは便利な道具ではありますがアナログと同じように描けるかというと少し課題が残ります。
そんな問題を解決してくれるのが液タブです。
液タブを導入すれば思い描いている線を描けるどころかそれ以上のメリットも得られるでしょう。
マウスはそもそも細かい操作向けではない
パソコンの入力機器の代表的な道具といえばマウスです。
マウスとキーボードさえあればほとんどすべての操作を行う事ができ、従って絵を描くことも可能となります。
ですがマウスの場合、ペンと操作感が全く異なるので細かい操作は苦手です。
元々パソコンはそこまで厳密に細かい操作を必要としない作りになっています。
ソフトを起動するアイコンはある程度大きいですし、ボタンがミリ単位で設置されているケースも少ないでしょう。
マウスというのはミリ単位の操作が要求される入力機器ではないのです。
絵を描く場合、このミリ単位の誤差は非常に大きな要素となります。
例えばキャラクターの絵を描くとき、顔の稜線が少しズレるだけでも違和感をもたらしてしまうでしょう。
特に人物は滑らかなラインで描かなければ不自然なものとなり、従って頭の中で描いていたものとは異なるもの、が生まれるわけです。
そこで登場したのがペンタブレット、いわゆる板タブです。
板状のデバイスにペン型デバイスで描く事で微妙な調整を可能にした画期的なツールといえます。
板タブの利便性
板タブはマウスよりも格段に描きやすいデバイスで、お絵描きをする場合にはまず板タブを導入するのが良いかもしれません。
ペンを握って入力していくためアナログに描き味は似ていますし、サイズも様々なものがあります。
絵を描くためのデバイスとして板タブはまたたく間に普及していきました。
板タブの抱える問題点
マウスより快適に絵を描く事ができる板タブですが、それはあくまでも「マウスよりは快適」という事でしかありません。
やはりあくまでもアナログ環境で実際にペンを走らせる方が描きやすく、板タブには限界があるのです。
例えば板タブの場合、モニターとの関係性が非常に重要となります。
板タブの描画領域とモニターの物理的な面積が一致すればそれはアナログと同じような環境となりますが、そうそう板タブとモニターを同じ大きさにすることはできないものです。
もし描画領域と表示領域がそれぞれ異なっていたなら、それを修正するように機能してしまいます。
モニターの横幅が100で板タブの横幅が50のときに、描画領域をモニター画面いっぱいに表示した場合を考えてみましょう。
このとき、板タブ上で1の距離の線を描くとモニター上には2の距離の線画描かれることになります。
10の線を描けば20の線として表示されてしまうのです。
つまり2倍の描画領域と表示領域のズレが発生してしまいます。
アナログでは起こりえない現象
私達がペンを握って実際の紙に線を引くとき、1cmの線は必ず1cmの線として描かれます。
ですが板タブの場合、モニターとの組み合わせ次第では1cmの線が2cmになったり2.5cmになったりしてしまうのです。
現実と似て非なる環境を作り出してしまうのは板タブの問題点といえるでしょう。
また「描いているところと表示されるところ」が異なるというのも板タブ独特の問題です。
マウスのような操作用の入力機器であればそこまで問題にはならないのですが、絵を描くという繊細な作業をするときには見過ごすことができません。
アナログの場合、線を描けばその場に線を描く事ができますが、板タブでは目の前にモニター、手前に板タブという特殊な位置関係で作業することになります。
このように、板タブはあくまでもアナログの模倣に過ぎず、マウスよりは絵を描きやすいツールに過ぎません。
絵をしっかりと描く場合、やはりもっと良い環境が欲しくなるものです。
そしてそうした要望をかなえてくれるのが液タブとなります。
アナログと同じ描き味の液タブ
液タブは板タブのもっていたあらゆる問題を解決してくれるデバイスです。
先述した「描画領域と表示領域のズレ」については見たまんま既に解決しています。
液タブは描画領域と表示領域を伴っているのです。
いわば板タブに同じサイズのモニターを取り付けたものを液タブといっても良いかもしれません。
直接モニターに描く形になるので、1cmの線は必ず1cmの線となり、ずれることはないのです。
最早この時点で板タブよりも絵を描く環境として優れているといえるでしょう。
また、入力装置とモニターが分離されていないので描くところを見ながら描ける、というアナログ環境では当たり前のことを実現しています。
最早液タブは「とりあえずの模倣」でも「マウスよりは描画に優れているツール」ではありません。
正しくアナログ環境をデジタル化したツールなのです。
ズレがないことの利点
これまで板タブで絵を描いてきた方は少し戸惑うかもしれません。
なぜなら描画領域と表示領域がそれぞれ異なり、かつそのサイズも異なる環境で描いてきた場合、アナログと同じ描き味で描けるようになるからです。
ただアナログで描きなれている方や、これまでアナログで絵を描いてきた方にとっては最上のツールとなるでしょう。
板タブのようなズレがないということはアナログ環境で培ってきた技術をそのまま思う存分に発揮することができるということです。
これまで描いてきた感覚をそのままデジタル環境で生かすことができるでしょう。
アナログからデジタルへ移行する際、液タブはおすすめのデバイスです。
また、これまで板タブで作業してきた方も液タブに慣れれば作業速度が速まるかもしれません。
線がズレる環境に慣れているとしても、それは板タブ独自の環境に適応した結果であってそこから修正することは可能なはずです。
もしかしたら意外なほど快適な操作性に驚くかもしれません。
アナログを超えた環境
液タブはアナログ機器ではなくデジタル機器です。
それはデジタル技術の恩恵をフルに活用できるということを示しています。
これまでアナログ環境の模倣ツールとして液タブをみてきましたが、むしろアナログを超えたといっていいかもしれません。
例えば使うソフトウェアによっては表示領域の拡大と縮小をその場で行うことができます。
これを駆使すれば非常に細かい部分の修正をすることができ、また微細な絵を描く事だってできるでしょう。
この拡大と縮小は絵を描く方にとっては身近な機能ですが非常に利便性の高い機能だったりします。
デジタル技術をフル活用しよう
アナログ環境でもルーペを使えば線を拡大することはできますが、その場合指先の操作は繊細に行わなければいけません。
ですが液タブの場合、ルーペで拡大したところ全体が描画領域となるので普段と同じ感覚で細かい作業を行うことができます。
これをアナログ環境で実現するには医療用の高精度なロボットアームなどが必要となるでしょうし、もちろんそのようなことは現実的ではありません。
他にも好きな色を好きに濃淡をつけて塗ることができますし、ペンの種類によっては水彩画から油絵まで表現できます。
それに「元に戻す」という機能を使えば作業を1手戻れるので何度も線を描きなおすことができるでしょう。
さらにはレイヤー(階層)に分けて絵を描けば後々の修正や変更はアナログの比ではないほど楽になるはずです。
まとめ
このように利便性の高いデジタル技術を駆使することができるツールが液タブとなります。
絵を描く環境としてマウスとは比較にならないほど利便性が高く、板タブのようなズレもなく、絵を描きたいという欲望を素直にかなえてくれるでしょう。
これまでアナログ環境にあったかたはもちろん、板タブを使っている方にもおすすめのデバイスです。