ペンタブレットとは?使い方のコツは?初めてのペンタブ講座~ペンタブの基本の解説&おすすめお絵かきソフト3選~
イラストレーターや漫画家はもとより、趣味で絵を描いている人にも広く使われているペンタブレット、略してペンタブ。
ここでは、初めてペンタブの購入を考えている人に向けて、ペンタブの選び方・使い方のコツ・おすすめのお絵かきソフトについて解説します。
ずっとアナログで絵を描いてきたけど、そろそろデジタルの絵も描いてみたいなあ。
そう思っている人はぜひ参考にしてみてください。
ペンタブとは何か
そもそも、ペンタブとは?
まずはペンタブについての基本事項を解説していきます。
ペンタブとは
ペンタブとはペンタブレットの略で、タッチペンとタッチパネルがセットになったPC周辺機器です。
タッチパネル上でタッチペンを操作することで、パソコンのマウスカーソル(ポインタ)を動かすことができます。
ペンタブは有線のマウスと同様に、USBポートにケーブルを接続して使用します。
タッチペンをタッチパネル上で操作することで、パソコン画面上のポインタを動かし、絵を描くことができるのです。
タッチペンとマウスの比較
タッチペンではマウスに比べてポインタの精密な動きの操作ができるため、ペンタブはイラスト制作を行うツールとして広く使われています。
たとえばマウスではどうしても思ったような線が描けずぎざぎざな線になってしまいますが、タッチペンではなめらかな線を書くことができます。
またマウスでは筆圧の加減などは全く反映できませんが、タッチペンでは筆圧やペンの角度にまで反応してそれを反映した線を描くことができます。
また、ブラシの設定を細かくカスタマイズすることも可能です。
ペンタブの種類
ペンタブには大きく2種類、板タブレット(板タブ)と液晶タブレット(液タブ)というものがあります。
これまでお話ししてきたタッチペンでタッチパネルに描くことでパソコンの画面上に絵を描くペンタブは、実は板タブのことです。
この場合タッチパネルはただの板であり絵が描かれるのはあくまでパソコン画面上です。
したがってパソコン画面を見ながらそれと同期するように手元でタッチペンを操作しなくてはならないので、最初は難しいと感じるかもしれません。
しかし個人差もありますが、慣れてしまえば問題なく扱えます。
一方の液タブですが、こちらはタッチパネルがそのまま液晶画面になっており、タッチペンでその画面上に絵を直接描いていくことができるという代物です。
アナログで長く絵を描いてきた人、ペン先で直接線が引けた方がいい人に向いています。
しかしながら値段は液タブの方がいたタブよりも高くなっています。
決して板タブよりも液タブの方がよい、というわけではなく、どちらを選ぶかはその人の好み次第だと思います。
とはいえ最初は値段が安い板タブを購入する場合が多いかと思うますので、ここでは板タブについて解説していきます。
以降、ここで出てくるペンタブは板タブのことだと思ってください。
初めてのペンタブの選び方
初めてペンタブを購入しようとした場合、大きさやメーカーなど、どれを買うべきかわかりませんよね。
ここではペンタブのおすすめの選び方を紹介します。
ペンタブのサイズ
ペンタブにはS、M、Lの3つのサイズがありますが、一般的なのはSサイズとMサイズです。
Sサイズは横向きのはがきくらいのスペースに絵を描いていくと考えるとわかりやすいです。
持ち運びにも便利です。
一方MサイズはSサイズよりも一回り大きく、描くスペースは縦向きのはがき2枚分+αくらいです。
どちらを選ぶかは予算、使用しているパソコン画面の大きさ、アナログで描く時の描き方などから決めましょう。
予算ですが、サイズによって価格はかなり違います。
大きい方が当然高くなっています。
パソコン画面の大きさについてですが、ペンタブの読み取り可能範囲(絵が描ける範囲)がパソコンのディスプレイに対応しているので、お使いのパソコンの画面がとても大きいのに小さなペンタブで絵を描くと、実際に描いた線の長さより何倍も長くなって画面に反映されるので、感覚があわないかもしれません。
アナログでの描き方の傾向についてですが、アナログで絵を描くときに主に手首の動きで描いている人には、Sサイズで十分だと思います。
一方アナログでも腕を動かして大きく絵を描いている人はMサイズがいいかもしれません。
ペンタブのメーカーについて
ペンタブを販売しているメーカーは少なく、特にWacom(ワコム)が圧倒的なシェアを誇っています。
イラストレーターの7割以上がワコム製のペンタブを使用しているといいます。
ワコムのペンタブは性能が高く安定感に優れ、不具合も少ないです。
また、お絵描きソフトも付属でついてくるので、初心者に向いていると思います。
しかしその分価格も、他のメーカー(HuionやXP-PENなど)に比べて高めになっています。
しかしやはり、初心者はワコム製のペンタブを選ぶのが一番無難ではないでしょうか。
ペンタブの使い方のコツ
ペンタブを購入したならば、さっそく絵を描いてみましょう。
ここではペンタブの操作方法や絵を描くときのコツについて書いていきます。
ペンタブの仕様
先ほども述べたように、ペンタブはタッチペンとタッチパネルから構成されています。
タッチペンの芯は消耗品であり、長期間使用して摩耗してきたら新品と取り換えなければなりません。
また、種類にもよりますがタッチペンやタッチパネルにはいくつかのボタンが付いていて、色々な機能が割り当てられています。
例えば多くのタッチペンでは横についているボタンは、マウスのダブルクリックや右クリックに対応しています。
ペンタブの基本操作
まずは基本的な、タッチペンとマウスの操作の対応について解説します。
タッチペンをタッチパネルから少し浮かせた状態で動かせば、ポインタが移動します。
一度「トン」とタッチパネルにつけるとクリック、二度「トトン」とつけるとダブルクリックになります。
タブレットにつけたまま動かせばドラッグとなります。
また、お絵かきソフトを起動して絵をかくときには、このドラッグの操作が線を描く基本の操作となります。
ペンタブで絵を描く
ペンタブを使ったお絵描きでは、タッチペンは鉛筆や筆、スタンプ、スプレーなどいろいろなモードで描画することができます。
基本は鉛筆などで線を描く操作になりますが、初めてペンタブを使う人はそれまで長年紙に直接線を描いてきたわけですから、最初はこの操作がうまくできないことがほとんどです。
難しいと感じるかもしれませんが、以外とすぐにきれいな線が描けるようになりますので、あきらめずに少しだけ頑張ってみてください。
そこさえクリアすればあとは楽しいデジタルお絵描きが待っています。
ペンタブで線を描くコツ
最初はとにかく練習あるのみだと思いますが、線はゆっくりなぞるように描くのではなく、ある程度勢いを持たせて払うように描いた方がきれいです。
アナログで描くときも、シャッ、シャッ、と素早く動かして線を描きますよね?
デジタルでもそれと同じなのです。
ペンタブは筆圧に応じて線の太さが変わり、ペン先の微細なブレも感知して線に反映させてしまいます。
ゆっくりなぞるように描いていると太さの一定しないブレブレの線になってしまうのです。
慣れないうちはゆっくりゆっくり描いてしまいがちですが、思い切って素早く動かしてみましょう。
おすすめのお絵かきソフト
お絵かきソフトとはその名の通り、デジタルで絵を描くことができるソフトのことです。
お絵かきソフトとペンタブを使用して絵を描くことで、本格的なデジタル絵を描くことができます。
また、絵を描くほかにも、手書き文字の作成や写真の加工などもできます。
お絵かきソフトには有料・無料のものを合わせ色々な種類がありますが、ここではおすすめの3つのソフトについて解説します。
CLIP STUDIO PAINT PRO
いわゆる「クリスタ」。
言わずと知れたお絵かきソフトの王道です。
イラストや漫画の制作に特化し、プロのイラストレーター、漫画家にも広く使用されています。
ペンやブラシだけでなくトーンや背景などのデジタル画材ツールの種類も非常に豊富で、ソフトを買ってすぐにでも本格的なイラストや漫画を描くことができます。
とにかく機能が多彩過ぎて使い慣れるまでは少し大変かもしれませんが、きっとお気に入りのツールや機能が見つかるはずです。
また、静止画だけでなくアニメーションの制作も可能です。
価格はダウンロード版で5,000円です。
30日間全機能が無料で使える体験版もありますので、ぜひ試してみてください。
また、ワコムのペンタブには2年間限定で使用できるクリスタのソフトが付属していますので、ワコムの製品を買った人はぜひクリスタを使ってみましょう。
クリスタを使いこなせれば、ペンタブを買う時に思い描いていたようなハイクオリティなデジタル絵や本格的な漫画を描くことができるようになるはずです。
Pxia
こちらは無料ソフトになります。
無料と言えど一通りの機能はそろっており、これだけでかなり本格的なデジタル絵を描くことができます。
このソフトもワコムのペンタブに付属していますので、試してみてください。
まずはお金をかけずにデジタルのお絵描きを体験してみたい方、ちょっとしたイラスト制作を目的とする方にはおすすめです。
しかし描くイラストのファイルサイズが大きくなると動作がかなり遅くなってしまいますので、解像度の良い絵を描こうと思っている人には向いていません。
Adobe Photoshop CC
いわゆる「Photoshop」。
デザインや写真加工の世界では有名な有料のグラフィックソフトです。
イラスト制作に特化したものではないため厳密にいうとお絵かきソフトではないかもしれませんが、イラストの制作にも対応しています。
また、他のお絵かきソフトで絵を描き仕上げの加工だけPhotoshopで行う、という使い方をしている人もいます。
もともと画像加工用のソフトなので、フィルターが豊富でいろいろな加工を楽しめます。
このソフトは毎月使用料を払って使用するソフトで、価格は月々980円~(税別)です。
まとめ
デジタル絵を描くための必須ツールである「ペンタブレット」。
そんなペンタブについて、ここではその基本事項から使い方のコツ、おすすめお絵かきソフトまで、一通りのことを解説してきました。
昨今ではアマチュアでもペンタブとお絵かきソフトを駆使して、プロ顔負けの作品を生み出している人も多くいます。
ペンタブを上手に使って、本格的なイラストを制作できるようになりたいですね。