RPAとExcelのマクロには大きな違いがあるので注意が必要!
Excelのマクロを利用したら、様々な作業を自動化させる事ができますが、最近では『RPA』のほうが、自動化できるので注目されてきました。
そのため、RPAの導入を考え始めている経営者たちは多くいるでしょう。
確かに、RPAは自動化させる事はできますが、それぞれ一長一短あるので、どのような違いがあるのか紹介しましょう。
RPAの特徴
RPAとマクロの違いについて知るためには、まずは、RPAには、どのような特徴があるのか把握する必要があります。
そこで、基本的な特徴について紹介するので、これから自社で導入しようと考えている経営者は、参考にしてみて下さい。
単純作業を自動化
RPAは、マクロと同じように作業を自動化させる事ができます。
ただし、自動化できる作業は、オフィスの事務作業に限られるので、工場で物を作るような作業を行う事はできないので注意しなければいけません。
多くの日本企業が導入を始めているのは事実ですが、RPAを導入して黒字になる企業もあれば、赤字になってしまう企業もあります。
これは、対応できる業務が違うという事もありますが、あまり準備をしないで導入したケースもあるからです。
単純ミスを防止
人間は、単純作業を繰り返していけば、集中力が低下するという習性があります。
そのため、オフィスで何回も単純作業を繰り返していたら、思いがけない単純ミスを犯してしまいます。
実際に『みずほ証券が』が、1株61円の所を『61万株1円』と誤発注してしまった事があるのです。
これを見た多くの方たちが、株を大量に売るようになってしまって、大混乱に陥ってしまいました。
驚くべき事に、わずか16分あまりで約270億円もの損失を出してしまったので、単純ミスを防ぎたい場合には、RPAの導入をおすすめします。
作業時間
経営者たちの中には「今まで社員にマクロを使わせていて、問題がなかったから導入は控えたい」と思ってしまうかもしれません。
しかし、仕事量が多くなった時に、社員たちに残業や休日出勤を頼んだ場合には、様々な手当てを払う事になるのでコストをかけてしまいます。
それに引き換え、RPAは人間ではないので、どれだけ働かせても手当てを払う必要がありません。
今まで、定時で作業を終わらせる事ができない場合には、RPAを導入する価値があります。
マクロよりRPAが優れているポイント
RPAの基本的な特徴を理解してもらえた所で、次に、マクロよりもRPAのほうが優れているポイントについて紹介するので、みていきましょう。
自動化できる範囲
マクロを利用する際には、当たり前の話になってしまいますが、Excelでしか対応できません。
それに引き換え、RPAは様々なソフトに対応できるようになっているので、自動化できる範囲は広がっています。
今まで、マクロでは自動化できる仕事が限られていて、社員の作業量が多くなっていた場合には、RPAに任せるメリットは大きいです。
RPAツールは様々なものがあるので、自社の仕事に合いそうなものを選んで、自動化していけばコストダウンさせる事は十分に可能です。
プログラミングの知識
Excelで表計算できる方たちは多くなってきましたが、マクロを操作する場合には、ある程度のプログラミングの知識が必要になります。
数学が得意な方でなければ、プログラミングを理解する事は難しいので、マクロを使いこなせる社員を確保する事は容易ではありません。
それに引き換え、RPAの場合には、マウスを操作させていくだけで使いこなす事が可能です。
今まで、マクロを使いこなせる社員の人数が少なかったり、辞めていく社員が多かったりする場合には、RPAのほうを利用したほうが効率的です。
高速化
社員が、マクロを使おうとしたら、専用ソフトを利用しているとは言え、人間の作業が加わってしまいます。
作業が加わっている状態では、それほど高速で仕事をする事はできないので、短い作業時間で仕事を終わらせる事ができないケースがあるので注意しなければいけません。
ところが、RPAの場合には、数万もの大量のデータでも高速で処理できるようになっているので、短い作業時間でも多くの仕事を終わらせる事が十分に可能です。
RPAよりもマクロが優れているポイント
RPAとマクロの違いについて説明してきましたが、多くの方たちは「マクロとは、それほど性能が悪いソフトだったのか」と誤解してしまったかもしれません。
実は、RPAよりもマクロのほうが優れているポイントもいくつかあるので、詳しく説明しましょう。
対応力
RPAが自動化できるとは言っても、途中で仕事内容が変わる事があるでしょう。
実は、仕事内容が変わってしまえば、システムがその変化に気づかなくて、間違った作業を進めていく事があるのです。
それに引き換え、人間がマクロを利用している場合には、ある程度の作業が加わっているので、仕事内容の変化に対応する事ができます。
RPAは単純ミスをしないと説明しましたが、それは仕事内容が全く同じケースに限った事なので、注意して下さい。
ミスの発見率
RPAに自動化させるための方法として、社員が見本となる作業をする必要があります。
例えば、ExcelのセルA3からセルB3にコピーペーストする場合には、その作業を行なって記憶させなければいけません。
ところが、記憶させる段階で、社員が間違った作業を行なった場合には、RPAはその間違いに気づかずに誤った作業を延々と繰り返してしまうのです。
社員がマクロを使っている場合には、途中で間違いに気づく可能性があるので、ミスの発見率であればマクロを操作しているほうが優れています。
RPAと社員の必要性
RPAとマクロの違いが理解できた経営社たちの中には「それでは、RPAと社員のどちらを頼ったら良いのか」と悩んでしまったかもしれません。
現時点で言えば、両方に頼ったほうが、メリットは多いので、その理由について説明します。
デメリットを補い合う
RPAと社員は、それぞれデメリットがるので、両方に頼る事によって、デメリットを補い合う事ができます。
例えば、単純作業であればRPAに任せて自動化してみましょう。
最初の記憶が間違っている可能性があったとしても、自動化した後に間違いがないのか、1~2回まで社員に確認させておけば、単純ミスを防げます。
さらにRPAは複雑な作業を行う事ができないので、単純作業はRPAに任せて、社員には複雑な作業を割り当てていく方法もおすすめです。
社員の柔軟性
RPAが行える作業の種類は限られていますが、社員は様々な作業を行えます。
そのため、RPAに単純作業を任せておけば、社員は他の作業を行えるようになります。
社員の作業量が減ったら、今まで手を付けられなかった新事業の仕事や、作業の改善提案などを行わせる事が可能です。
RPAツールを導入したら、ある程度のお金をかける事になってしまいますが、今まで行えなかった作業を社員に行わせる事が可能になるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ
マクロとRPAは、それぞれ一長一短あるので、どちらとも併用したほうが良いです。
少し落胆してしまった経営者はいるかもしれませんが、両方を併用する事によって、これから新入社員を多く採用する必要がなくなっていきます。
そうすれば、コストダウンする事ができるので、人口減少が叫ばれている日本では、RPAを導入するメリットは大きいです。