電子レンジでゆで卵は慎重に! 安全に加熱するための4つのポイント
電子レンジは、食べ物を温めるためには、とても便利な家電製品です。
これをうまく利用することで、さまざまな料理ができます。
ゆで卵もそのうちのひとつですが、電子レンジで卵を加熱するときは、他の食べ物と同じ感覚で行ってはいけません。
電子レンジを使ってゆで卵を作るなら、いくつかポイントを押さえておく必要があります。
ゆで卵は爆発する
電子レンジでゆで卵を作るとき、最も注意しなけばならないのは、爆発を避けることです。
他の食べ物なら、普通に入れて加熱しても問題はありませんが、卵の場合、対策をせずに加熱すると、爆発してしまうことがあります。
ここで問題になるのは、電子レンジがマイクロ派で食べ物を加熱している点です。
マイクロ派による急速な加熱は、卵の中の白身や黄身から水蒸気を発生させ、膨張を促すことになります。
内側からどんどん膨らんでいき、最終的には破裂して飛び散るというわけです。
しかし、すべての卵が加熱中に爆発するわけではありません。
中には、殻をむくときや、食べるときになって爆破する卵もあるのです。
膨張が起こったとしても、卵には殻があるため、それがストッパーになり、すぐには破裂しないこともあります。
そんなときは、中の圧力が非常に高くなっているため、殻にひびを入れたとき、一気に弾けてしまうのです。
また、白身の中で黄身が膨張している場合は、噛みついた瞬間に爆発してしまいます。
ゆで卵を電子レンジで作るときは、こうした事故を防ぐ対策を忘れないようにしましょう。
また、卵以外にも、たらこや皮つきソーセージなどは、同じ原理で爆発することがあります。
殻や皮で覆われたものを温めるときは、十分注意してください。
ゆっくり加熱すれば爆発しない
電子レンジで卵が爆発するのは、マイクロ派の急な加熱が原因です。
そのために水蒸気が発生し、中が膨張してしまいます。
つまり、爆発を防ぐためには、なるべくゆっくりと熱を加えればよいわけです。
それならば、膨張による爆発は起こりません。
しかし、普通に電子レンジに入れただけでは、マイクロ派がもろに当たり、どうしても急な加熱になってしまいます。
対策として有効なのは、マイクロ派を遮断するための工夫をすることなのです。
マイクロ派を遮断する方法なら、ゆっくりと安全に卵を温めることができます。
アルミホイルを使おう
電子レンジのマイクロ派を防ぐためには、アルミホイルが有効です。
食器などはマイクロ派が通り抜けてしまうため、爆発の対策にはなりませんが、アルミホイルならしっかりマイクロ派を遮断してくれます。
したがって、電子レンジで安全に卵を加熱するためには、アルミホイルで覆うようにしまょう。
あとは、卵が入るくらいのマグカップなどを用意すれば、準備は完了です。
まず、卵にアルミホイルを巻きつけたら、水を注いだマグカップに入れます。
このときの水は、卵がきちんと隠れるくらいに、たっぷり注いでください。
水は加熱で減っていきますが、まったくない状態で加熱を続けると、アルミホイルから火花が出て火災につながる危険があるので、要注意です。
次に、マグカップにラップをふんわり被せます。
このときのポイントは、ぴっちりとマグカップを塞ぐようにするのではなく、少しだけ隙間が空くくらいに余裕をもたせることです。
あとは、普通に電子レンジで加熱していきます。
余熱に注目
ゆで卵といっても、しっかり固ゆでにする場合もあれば、半熟にする場合もあります。
これを調節するのが、電子レンジから出したあとの余熱です。
固ゆでにしたいときは、電子レンジで加熱したあと、さらに余熱で2~3分温めてください。
そして、冷水でしっかり冷やせば、固ゆで卵の完成です。
一方、半熟にしたい場合は、余熱で温める必要はありません。
電子レンジから出したら、すぐに冷やしてください。
ただし、加熱した直後は、マグカップもアルミホイルも熱くなっているので、火傷しないように注意しましょう。
アルミホイルの中に熱湯がたまっていることもあるので、剥がすときは冷やしながら行うのがベストです。
温め直すときも注意
電子レンジで卵を加熱するのは、ゆで卵を作るときだけではありません。
一度作ったものを温め直すときは、やはり電子レンジを使用します。
このときも、爆発には十分注意しなければなりません。
冷めた卵を加熱したときも、マイクロ派による膨張は起こってしまうのです。
しかし、冷めた卵を温め直すときは、つい普通に加熱してしまうことが多くなります。
生卵は水分が多く、いかにも水蒸気が発生しやすそうなイメージですが、一度ゆでたものだと、そうした心配はないように思えてしまうのです。
ところが、冷めたゆで卵にも水分はあり、何もせずに温めると、生卵と同じように膨張し、爆発してしまいます。
冷めたゆで卵は切る
一度作ったゆで卵を温め直す場合は、半分に切ってから温めるのがおすすめです。
卵が爆発してしまうのは、内部の水分が蒸発して膨張するためですが、あらかじめ切って中身をむき出しにしておけば、その心配はありません。
中の水分が逃げていけば、爆発することはないのです。
これは、ゆで卵だからこそ可能な対策になります。
生卵の状態だと、半分に切るわけにはいかないため、アルミホイルによる工夫が必要です。
しかし、一度ゆでたものは切ることができるため、手間をかける必要がありません。
サッと半分に割って、すぐに温めることができるのです。
目玉焼きでも爆発する
ここまでは、電子レンジでゆで卵を作るときの対策を紹介してきましたが、注意が必要なのは、殻のついた卵ばかりではありません。
割った卵の場合も、爆発する可能性があります。
つまり、電子レンジで目玉焼きを作るときも、必ず対策が必要になるわけです。
しかし、一度作ったゆで卵は、割ってしまえば爆発を防ぐことができるため、生卵の場合も、「割っているから大丈夫」と勘違いしてしまうことがあります。
そのため、目玉焼きでは油断してしまうことが多くなりますが、生卵の場合は、割っても爆発の対策にはならないのです。
目玉焼きの爆発は、卵黄膜の中で黄身が膨張して起きるため、対策をするなら、卵黄膜に対して工夫を施す必要があります。
穴を開けよう
目玉焼きを作るために生卵を割ったら、電子レンジに入れる前に、小さな穴を開けておきましょう。
爪楊枝を使い、卵黄膜に3~4個の穴を開けておけば、内部の水分が適度に逃げていくため、爆発することはありません。
冷めたゆで卵の場合と同じで、中を密閉しないことにより、膨張を防ぐわけです。
ただし、穴を開けてしまうと、形の維持ができなくなる点には注意してください。
目玉焼きは、「なるべくきれいに作りたい」という人も多いですが、穴を開ければ、どうしても黄身の形が崩れます。
そのため、できるだけ形を保ったまま作りたいときは、電子レンジにこだわらず、フライパンを利用するようにしましょう。
フライパンならマイクロ派が発生することはないため、爆発を警戒する必要もありません。
まとめ
電子レンジは便利なものですが、卵を温めるときのように、守るべき注意点はあります。
安全に使うためには、その注意点を忘れずに、適切な方法を意識することが大切です。
卵の場合は、ここで紹介したポイントをしっかり押さえておけば、爆発を防いで調理することができます。
電子レンジを正しく使って、おいしい食事を作りましょう。