仮想通貨の今後の動きを読み取るために覚えておきたいラインとは?

仮想通貨

仮想通貨に限らず、投資の分野ではチャート画面にテクニカルとは別に様々な情報を表示する事で今後のチャートの動向を予測する補助の役割を担う物があります。

そうした情報の中でも代表的な物として、チャートの特定の点と点とを結んだ線を追加する方法があります今回は仮想通貨の取引でも使用する事が出来るチャートに直接追加する「ライン」の使い方と読み取り方についてまとめました。




ラインの種類

仮想通貨の取引でチャートに適用することが出来るラインは、「トレンドライン」「チャネルライン」「ホリゾンタルライン」の主に3種類があります。

一見すると殆ど同じなため、それぞれのラインの違いが分かり辛いですが、本来はそれぞれの用途に合わせて使い分ける事でより高い効果を発揮します。

基本的な用途を大きく分けると、トレンドラインはチャートに追加することでトレンドの方向性や強さを視覚化・単純化する事で分かりやすくすることができ、チャネルラインはトレンドラインで捉えた流れの中で起きる反転のラインを分かりやすく視覚化する、というのが基本的な使い方になります。

ホリゾンタルラインは、トレンド・チャネルのラインよりも最も大きな範囲(チャート全体など)で抵抗感が強く反転しやすいレート位置を視覚化するために使用するのが一般的です。




トレンドラインの引き方

トレンドラインを引く際に注意したいのは、ラインを引く位置です。

これを間違えてしまうとトレンドラインとしての効果がかなり薄くなってしまうだけでなく、肝心の情報が何も得られなくなるためラインを引く意味そのものが揺らいでしまいます。

まず、上昇相場の場合にはトレンドラインはローソク足の下値に合わせて引いていくのが一般的です。

引き方としては、押し目が終わって再びトレンドに回帰したタイミングが頂点として、複数の頂点同士を1本の直線で繋ぐことでラインにします。

対して下降相場の場合には上昇相場の場合と同じ要領で戻りからの転換点を頂点として1本の直線で繋ぎますが、ラインを引く位置はローソク足の上値に合わせてラインを引きます。

上昇・下降問わずトレンドの状態によっては全ての頂点が直線でつながらない事が多いですが、そもそも欲しいのは「転換するポイントの大まかな情報」であるため、各頂点の中間の平均的な位置に合わせた直線を引くようにするのがおすすめです。

トレンドラインの基本的な使い方

トレンドラインはその名称の通り、現在のトレンドの流れをより直観的に判断する事が出来るようになるほか、上昇トレンドにおけるサポートライン、下降トレンドにおけるレジスタンスラインとしての使い方が可能になっています。

そのため、上昇トレンドにおいてはトレンドライン(サポート)から離れると一時的な乖離状態であり一時的な戻しが懸念され、逆にトレンドラインに近い時には一時的な押し目になっているため、トレンドが継続するのであれば再び上がる可能性があると考える事が出来ます。

下降トレンドの場合にはそれらとは逆でトレンドラインはそのライン以上にレートが上がる事を抑えるレジスタンスとしての機能が生まれます。

トレンドラインのブレイクによるトレンドの変化

トレンドラインはサポートやレジスタンスのラインとして機能しているのと並行して、トレンドラインを大きく抜けることでブレイクした際には現在のトレンドが終了した、という判断材料としても活用する事が出来ます。

同時にサポートとレジスタンスの特徴でもある、いずれかを抜けたらもう一方として機能する(サポートを抜けたら以降はそこがレジスタンスになるなど)という特性を持っているため、ブレイク後の動きに注視してブレイクしたラインがどう機能するか判断する事によって一時的なダマシやトレンドの変化などをしっかりと知る事が出来ます。

トレンドラインは「そこよりも大きく反転しない」という目安であると同時に、そこを超える動きが生まれた際には、「トレンドを終わらせるだけの状態に移行した」という見方も出来るため、トレンドをフォローするスタンスで取引する場合にはトレンドラインのブレイクは意識しておきたい情報の1つです。

チャネルラインの基本的な使い方

チャネルラインは、トレンドラインと併用するのが基本となっているラインの1つで、トレンドラインと並行で使用します。

チャネルラインは基本的にはトレンドラインの反対側で使用するのが基本となっており、上昇トレンドではローソク足の上端部分、下降トレンドではその逆で下端部分に合わせて使用します。

主な使用方法としては、現在のトレンドにおいて、そのローソク足が今後どの程度まで伸ばすかについての情報を得るために使用します。

そのため、トレンドラインがトレンドに対して逆行する際の限界値を示したものであるのに対して、チャネルラインはトレンドに合わせて進む際の限界値を示したもの、と言う見方が出来ます。

ちなみに、チャネルラインはトレンドラインとの併用が多い事から、取引ツールの種類によってはチャネルラインを引けばそのまま、同じ角度・同じ長さのトレンドラインが合わせて表示されるものもあります。

トレンドラインとチャネルラインを使ったトレードの一例

先に触れた通りトレンドラインは逆行の予測上の限界、チャネルラインはトレンドに合わせて進んだ際の限界をそれぞれ示しています。

これら2つの情報を利用した取引の方法としてトレーダーたちの間で知られているものとして、「トレンドラインでエントリーして、チャネルラインで利確する」という物があります。

これはその字面の示す通りの取引スタンスで、トレンドラインは上昇トレンドにおける現在の下限値、下降トレンドにおける現在の上限値を示す事と、チャネルラインはそれらの丁度逆を示している事を利用して「安く買って高く売る」「安く売って高く買う」を体現したともいえる取引方法の1つです。

非常に分かりやすく、仮想通貨の取引を始めたばかりの人でも対応し易い取引方法なため、しっかりとしたラインの構築さえ実現すれば、利確を欲張りすぎない事と、損切り設定をしっかりと運用する事で比較的安定して利益を得られる方法の1つと言えます。

ホリゾンタルラインの基本的な使い方

トレンドライン・チャネルラインと合わせて使用される事が多いのが、ホリゾンタルラインと呼ばれるものです。

名称の通り水平な横一線のラインで、特定の点同士を結んで利用するトレンドラインやチャネルラインとは異なり、特定のレート位置に合わせて設置するタイプのラインです。

主な使用法としては、過去のチャートにおける直近の安値や高値に合わせて配置する事でサポートやレジスタンスとして用い、「中期のトレンド中にホリゾンタルラインを超えたら押し目・戻りが終わったので現在のトレンド続行と判断する」や「不用意なエントリーを控えたい要注意エリアの目安」などの使い方が出来ます。

また、同じレートで複数回に渡って反発している場合にはある程度重要度の高いサポート&レジスタンスと判断できるため、そういったレートに合わせたホリゾンタルラインがブレイクした場合には大きな流れが生まれる可能性が高いとみることが出来ます。

また、トレンドラインとあわせることで三角持ち合いを視覚化したり、レンジ相場における上限と下限を視覚化したりするなどの使用方法もあるため、工夫次第でかなり色々な事に利用することが出来ます。

ラインを引くときのコツは「正確に引かない事」

ラインを引くときの重要なポイントは「ラインを正確に引かない事」です。

正確に引くことを控えた方がいい主な理由としては、ラインの引き方にはテンプレこそあるものの決まった形式のようなものは無いため、トレーダー全員が少しずつ違うラインを引いているという点にあります。

例えば、トレンドラインを引くと一口に言っても、ローソク足の終値に合わせて引く人や、ヒゲの終端部分に合わせて引く人や、使用する時間足による差、直近の高値や安値の考え方自体が若干異なる人など、ラインの作り方は様々です。

そのため、ラインは多くの人に意識されやすい反面、テクニカルのような決まった形が無いというチグハグな状態になっていて、正確に引く事自体の意味が薄いとも言えます。

むしろ、日ごろ自分が使用している設定のチャートに合わせて大雑把に合っているラインを引いて、そこから得られる情報を信用し過ぎない程度に利用する、というのが理想的と言えます。

まとめ

トレンドラインやチャネルラインは、テクニカル分析とはまた異なったタイプの分析方法ですが、しっかりと経験を積めばそれなり以上に利益を上げる事が出来る方法です。

ラインを用いた分析は対応力も高いため、仮想通貨の取引を今後も続けたいと考えている人だけでなく、今後資産が増えたら他の投資に移りたいと考えている人にもおすすめの分析方法です。






仮想通貨