仕事改革にRPAの導入を、でも本当にメリットばかりなの
仕事改革が叫ばれて結構な時間が経ちました。
すでに会社内の仕事ラインにRPAを導入している会社も、少なくありません。
大企業と呼ばれる会社でも導入を決定、結果大きなメリットを得ているとの情報もあります。
人件費や仕事時間の短縮に大きな効果ももたらすこのRPAですが、本当にメリットのみなのでしょうか。
デメリットにも注目しておきたいところです。
RPAを導入すれば
RPAって、要はAIとどう違うのと言う基本的な疑問を持つ人も多いはずです。
このRPAと言うのはAIと違って、学習はしてくれない自動機械と思っていいでしょう。
学習なしですが、与えられた指示には忠実に従って、淡々と業務をこなしてくれます。
数字に関する業務、給料計算などは最も得意とするところです。
人間がやるよりも手早くしかも正確に作業してくれます。
しかも休憩もなく、24時間365日活動してくれるという働き者です。
勿論メンテナンス時にはさすがに休憩しますが、それ以外では有給も病欠もなしに働いてくれるのですね。
かなりの仕事時間短縮と、ミスの排除に役立ってくれるのです。
しかしこの、指示に従って働くということは、指示以外の行動はできないということです。
人間のように自分で考えて行動するとか、AIのように学習するとかがないのが、RPAなのです。
導入前にこの点について、理解しておくことが必須ですね。
家電に置き換えて見てみると
でもどうも、その違いがよくわからないという人もいるかも知れませ。
これを家電に置き換えて説明すると、例えばロボット掃除機です。
AI搭載のものは使い続けていくと、この場所には段差があるとか障害物が何時もある、と学習していきます。
自動的に避けてくれるようになります。
しかしAI非搭載のロボット掃除機の場合、決められた入力された動きだけしか出来ません。
ランダムに動くのが10分、次に同じ場所で円を描くのに5分、その後ジグザクに動くのが10分というように設定されているのですね。
勿論障害物があればぶつかってしまい、そこで方向転換はします。
しかし次に同じ部屋の掃除をしても、避けるという行動はしてくれません。
あくまでもプログラムされたままの動きを、し続けるのです。
勿論RPAはここまでではありませんが、大まかに例えればこういった違いだと言うことです。
RPAの導入での大きなメリット
このRPA、導入することで果たしてメリットがと、こう書いてくるといささか疑問も湧いてきます。
しかしまず人件費という点を見てみましょう。
例えば、給料計算に携わる人間、アルバイトでも正社員でも1人いるとします。
まずは給料と言う出費があります。
加えてこれが正社員だった場合特に、厚生年金や社会保険のコストがかかってきます。
この他にもボーナスや通勤手当に家族手当、はては通勤手当ときりがありません。
そして最後に、退職金までの出費がかかるわけです。
40年のこれら出費は、これはかなり多いものです。
この全部を、導入後はメンテだけでやってくれるのですから、それだけでも会社に大きく貢献してくれることになります。
他にも、仕事の効率化やミスの排除まで、メリットは数知れずあるのです。
RPA導入にはデメリットも有るのか
しかしどんなものでも、メリットだけということはありません。
RPAにも残念ながらデメリットは存在します。
そこも踏まえての導入を心がけてください。
初期費用が高いし手間がかかる
最も導入のネックになるのが、この初期費用の問題です。
そしてデータ入力やシステム設定にも時間や手間がかかります。
外部に委託すれば、余計に金額もかさみます。
とは言え、一部の大企業以外ではRPA導入のために新部門を立ち上げる、というの不可能に近いことです。
結果、かなりの予算を組まなくては導入できないことになります。
まずは事前準備を周到に、ということですね。
設定指示されたことはやるけれど
RPAは設定されたこと、指示されたことは忠実にこなします。
毎日の売上計算とか、給料の計算などは人間がやるよりも正確で、しかも手早く済ませてくれます。
しかし逆を言えば、命じられたことしかやらない、出来ないということです。
何かいきなりの問題、イレギュラーな事が起きてもそれに対応はできません。
加えて設定にミスがあった場合も、そのまま業務を続けてしまいます。
何かおかしいですよ、これでいいのですか、とも聞いてくれないのです。
指示以外のことは出来ないと言う点、そういった業務にしか向かないということも、心得ておくことをおすすめします。
業務がブラックボックス化してしまうことも
RPAに任せた業務、ついつい放置しがちになってしまいます。
休み無くやってくれているので、完全にお任せ状態になってしまったりします。
こうなるとその業務が、ちょっとしたブラックボックスになってしまうことがあります。
つまり、不可視になってしまうのです。
人間の手が入らないので、業務自体が見えてこなくなることもあります。
完全自動化とはいえ、人間の管理が必要です。
またここでも、命じられたことはそのまま遂行するという点が、旧設定のままで業務を続けるなどという問題を引き起こすこともあります。
人間の管理は、導入後もしっかりと行いたいものですね。
RPAだけでなく現状で最も怖い
今の社会では、デジタル機器がかなりの仕事を任されています。
データの保存なども、デジタルで行われます。
なので最も問題になるのが、システム障害や誤作動などです。
勿論情報の漏洩もその1つです。
これらのトラブル、勿論セキュリティの強化や、管理を強化することで対応が可能です。
しかし災害などでの障害だと、これは復旧に時間がかかることもあります。
バックアップなどは、こまめにすることがおすすめです。
人間が仕事を失う
よく飲食店関係の仕事で言われるのが、お客さんはご飯を食べているのではなく人間を食べている、と言うジョークです。
これが何を指すかと言うと、要は1つのメニューに対する費用は、材料費や光熱費よりも、人件費がかかっているということです。
人件費を食べているようなもの、とブラックジョークで笑われる点ですね。
会社などの場合も、これと似たようなものです。
なのでRPAが導入されるのですが、最大の人間にとってのデメリットは、仕事を奪われてしまうということです。
人間のやっていた仕事を、もっと効率的にミスもなく手早く、しかもコスト最低限でやってくれるのですから、会社にとってはありがたいものです。
しかし仕事を奪われた人間にとっては死活問題です。
また雇用率の問題にも関係してきますので、一概にどの会社にもこのシステムの導入をすすめる、というわけにはいきませんね。
デメリットは人の手で解決できるものも
思ったよりもデメリットが多く存在するRPAの導入です。
しかしこれも、人間の手で解決できないものはまずありません。
最後の、人間の仕事が無くなるという点も、その人手をRPAのシステムメンテや管理に回すことで、解決ができます。
非常に便利にしかも効果的に使用ができるRPAですが、それでもなお人間の手を要するものであることに変わりはありません。
デメリットも充分に考慮して、導入後のビジョンもできるだけはっきりとさせてから、便利に利用していってください。
まとめ
どんな便利な機械でも道具でも、メリットだけとは言えません。
必ずデメリットも存在します。
会社にとっても人間にとっても非常に便利に見えるRPAですが、それでもなおデメリットは存在します。
しかしそのデメリットは、人間の手で解決できるものがほとんどです。
メリットがデメリットになるように、デメリットはまた転じればメリットとなるものです。
その点も考慮の上、導入を考えてみてはいかがでしょうか。