仮想通貨チャートの未来が予測できる?一目均衡表の使い方とは

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仮想通貨の取引をする際に確かな勝率を維持するためには今後どういう方向性になるのかをしっかりと予想する必要があります。

今後の予想を立てるためにはテクニカル指標などを活用するのが一般的ですが、その中でおすすめしたいのが未来までの予測を含めた内容を表示してくれるテクニカルである、一目均衡表です。

今回は一目均衡表の主な読み取り方と、併用して使いたいテクニカル指標についてまとめました。




一目均衡表とは

一目均衡表は日本人が開発したテクニカルの1つで、現在でも多くのトレーダーによって株式や証拠金取引など、様々な分野で使用されている人気の高いテクニカル指標の1つです。

一目均衡表は時間の流れを重視したテクニカル指標で、その名称の通り現在のトレンドの方向性や、現在のサポートやレジスタンスの価格といった相場を読む際に必要になる様々な情報を一目で確認できるテクニカルで、細かなエントリータイミングを見極めるよりも全体の流れを見極めるのが得意なタイプのテクニカルです。

また、一目均衡表の特徴は他のテクニカルとは異なり最初から大まかな未来が予測された状態で表示される点にあります。

しっかりと理解すればシンプルかつ扱いやすいテクニカル指標と言えますが、同時に初見ではその煩雑さから複雑なテクニカルと思われる事も多く、戸惑ってしまう事も少なくありません。




一目均衡表を構成する6つの要素

一目均衡表を表示すると、一見すると大量の情報が追加されるように見えますが、実際に追加される情報は決して多くはありません。

一目均衡表を表示した際に追加される情報は次の6つです。

  • 基準線
  • 転換線
  • 先行スパン1
  • 先行スパン2
  • 遅行スパン

の6つによって一目均衡表は構成されています。

構成要素が多く見えるものの、実際にはそれぞれの要素を組み合わせて読み解いていくテクニカルであるため、「基準線と転換線」「先行スパン1と2(と雲)」「遅行スパン」という大きく分けて3つの指標に分かれています。

基本的にはこれらの3つの指標によって発生した売買シグナルに合わせた形でトレードを行っていくのが一目均衡表の使い方になります。

相場の方向性を読み解く3つのシグナル

一目均衡表によって読み解くことが出来る売買シグナルは主に3種類存在しています。

1つ目は基準線と転換線がクロスしたことによるシグナル、2つ目はロウソク足と雲の位置関係から生まれるシグナル、3つ目は遅行スパンとロウソク足のクロスによるシグナルです。

また、これら3つのシグナルがそれぞれの売買シグナル単体ではなく、複数のシグナルが近いタイミングで発生した際にはより強いシグナルとなります。

中でも短期間のうちに3つのシグナルが全て同じ方向を指した状態は、特に強いシグナルが生まれたとして、買いシグナルなら「三役好転」、売りシグナルなら「三役逆転」と呼ばれ、非常に強力かつ確度の高いエントリーポイントになります。

シグナル1 基準線と転換線のクロス

一目均衡表における1つ目の売買シグナルは基準線と転換線がクロスした事によるシグナルです。

基準線と転換線の読み解き方は通常の移動平均線とほぼ変わりありません。

基準線は中期的な過去一定期間の平均を指しており、相場全体の方向性を示します。

それに対して転換線は短期的な一定期間の平均を指し、現在の方向性を示します。

この2本の線の位置関係により現在のトレンドがある程度把握でき、転換線が基準線の上にある時は上昇トレンド、逆に転換線が下にある時は下降トレンドとなります。

注視しておきたい売買シグナルはこれら2つの線がクロスした場合です。

転換線(短期)や基準線(中期)を下から上に抜いた場合にはゴールデンクロスとして買いシグナル、逆に転換線が基準線を上から下へと抜いた場合にはデッドクロスとして売りシグナルが発生した事になります。

シグナル2 雲とロウソク足の位置関係

一目均衡表における2つ目の売買シグナルは雲とロウソク足の位置関係によるものです。

雲は先行スパン1と2の間の空間を指しており、ロウソク足が雲の上にある際は強気相場、逆に雲の下にロウソク足がある場合には弱気な相場というように上下どちらにあるかによって、現在の相場の強さを知る事出来ます。

そして、雲に入ったロウソク足がどちらに動くかによってその後のトレンドの動きを判断する事が出来ます。

下から雲に入ったロウソク足が上へと突き抜けた際には買いシグナル、逆に上から雲に入ったロウソク足が下へと突き抜けた際には売りシグナルです。

このシグナルは視覚的に判断し易い反面、ダマシが入る事も多く、特に雲の厚さが薄い時(=雲を突き抜けやすい時)にはトレンドの転換点と見せかけて再び元の方向性に戻るという事が少なくないため、単体で安易に判断せずに他のシグナルの状態を見ておくのがおすすめです。

シグナル3 遅行スパンとロウソク足のクロス

一目均衡表における最後の売買シグナルは遅行スパンとロウソク足がクロスした際に発生するものです。

基本的な使い方に関しては雲とロウソク足の読み解き方に近く、ロウソク足との位置関係で遅行スパンがロウソク足の上にある際は強気の相場、逆にロウソク足が上にある場合は弱気な相場になるなど、雲とロウソク足の関係と同様に相場全体の強さを測る指標としても活用する事が出来ます。

買いシグナルは、遅行スパンがロウソク足の上へと抜いた際に発生します。

売りのシグナルはこれは逆に遅行スパンがロウソク足の下方向へと抜いた際に発生します。

他のシグナルとはロウソク足とテクニカルの関係性が逆に近いため、注意が必要です。

また、遅行スパンはその名称の通り若干離れた位置に表示されるため、忘れないようにしっかりと確認する癖をつけるのがおすすめです。

雲とロウソク足に注視する取引スタイルは注意

一目均衡表の上述したような3つのシグナルを総合的に重視する方法と異なる方法として、雲とロウソク足だけを注視するタイプの取引方法が存在しています。

スタイルとしては、長期トレンドと短期トレンドの両方が同じ方向を向いた際に、その流れに逆らう事なくトレードを行う順張りスタイルのデイトレードやスイングトレード向けの取引方法であるため兼業トレーダーにおすすめですが、このスタイルを仮想通貨の取引で使用する事はおすすめしません。

最大の理由としては、この取引スタイルは乱高下が少なく流動性の高い物を対象とした取引方法であるのに対して、仮想通貨は全くの逆の特性を持っているため、相性が非常に悪く損失を生みやすい点にあります。

余計な損失を生んでしまう事を控える意味でも、仮想通貨で一目均衡表を使う際には標準的な使用方法(3つのシグナルを活かした方法)で取引を行う事をおすすめします。

一目均衡表と相性のいいテクニカル指標

一目均衡表と併用し易いテクニカル指標としては、MACDやRSI、RCIなどが挙げられます。

他のテクニカルと併用する場合の使い方としては、大きな流れを一目均衡表で把握し、エントリーするタイミングや利食いするタイミングを考えていくという使い方がベターです。

しかし、一目均衡表はそれ自体の情報量が比較的多い傾向があるため、併用するテクニカルについてはあくまでも、補助的な物として使う程度に留めるのがおすすめです。

また、一目均衡表は他のテクニカルと比較すると1つのテクニカルで様々な情報を得る事ができ、単体でも機能し易い傾向があるため、無理に他のテクニカルと併用する必要がない、という見方をする事も出来ます。

そのため、一目均衡表を使っている人の中にはそれ単品で使っているという人も珍しくありません。

まとめ

一目均衡表は一見すると分かりづらいようにも見えてしまうテクニカルですが、その実、要点が抑えられたとてもシンプルなテクニカルになっています。

このテクニカルを理解するだけでもレートの動きがかなり読みやすくなるため、仮想通貨の取引を始めたばかりで損失を減らしたいと考えている人にはぜひおすすめのテクニカルです。






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