ソフトウェア的な業務の効率化ならRPAが便利。 企業も続々導入するRPAは一体どんな技術?
ビジネスでは様々な業務を効率化するメソッドやサービス、商品がありますが、最近注目を集める技術がRPAです。
総務省は人口減少が進んでいる日本で、RPAを人手不足を補える技術として後押ししています。
その他、今話題のAIとも関係する技術です。
導入している企業も多く、業務効率化がはかれますのでまだ知らない方はその技術内容を知っておきましょう。
RPAの説明と今後について解説します。
RPAはどのようなものか
はじめに、RPAとは何かを理解する為には、その言葉の意味を知る事が大切です。
RPAは英語の頭文字をとったもので、具体的には「Robotic」と「Process」と「Automation」からきています。
Roboticは日本語にするとロボットです。
ですから、ロボット技術が関係しています。
Processを日本語にすると手順、手続き、処理という意味です。
ここからもう何となく技術内容が想像出来ると思います。
Automationは自動化です。
繋げると、ロボットによる手続きの自動化となります。
要するに、ロボット技術を使って事務処理等のパソコン仕事を自動化させる仕組みがRPAなのです。
また、ロボットによる自動化と言うと、産業用ロボットが活躍するFA(ファクトリーオートメーション)という言葉もありますが、RPAで自動化するのは工場の作業ではなく、主にパソコンを使った事務作業なのがポイントとなります。
イメージで例えるなら、パソコン操作をソフトウェアロボットにお任せするイメージです。
パソコンを使用する事務仕事として、帳簿入力業務がありますが、簡単な繰り返しの帳簿入力業務はRPAで自動化出来ます。
金融業界では既に実績があり、大手銀行がRPAを導入したら事務処理作業が8000時間分も節約できたと言うデータもあります。
RPAは形のないロボットが仕事を楽にしてくれると、今注目されている技術です。
プログラミングとは違う
ちなみに、パソコンによる自動化と言えばプログラミングを思い浮かべる方もいますが、RPAとプログラミングは若干違いがあります。
大きな違いは、RPAはプログラミングの知識がほとんど無くても使えるという点です。
パソコンで操作する手順をソフトウェア上で、覚えさせたり選択したりするだけで、RPAは稼働してくれます。
RPAで出来ることはプログラミングでも、同等の事が行える場合もありますが、プログラミングは高度なプログラミングの知識が必要になることも多く、簡単には扱えない部分があります。
プログラミングの知識がほぼ要らないというのがRPAの大きな強みです。
また、RPAはプログラミングによる自動化で問題になってくる、アプリの連携やバージョンアップに柔軟に対応できる点も違います。
プログラミングの場合は、操作を自動化する対象のアプリのバージョンが変わったり、そのアプリと連携するアプリがバージョンアップするとまた一からプログラムを書き直さなければいけなかったりします。
しかし、RPAはパソコンの操作手順などを覚えさせるだけで良いので、対象のアプリに依存すること無く、どのようなアプリでも操作を自動化させることが出来ます。
RPAは、プログラミングのように操作手順を一から細かく記述するのではなく、賢いロボットに教え込ませるイメージです。
応用範囲が広く、パソコンで行う単純な作業は、ほぼRPAで自動化させられると言われています。
産業用ロボットとの違い
次に、産業用ロボットとRPAを比較してみましょう。
比較すると、RPAがどのような立ち位置にある技術か分かります。
自動車工場など、産業用ロボットがよく使われていて、せっせとフル稼働していますが、機械ロボットですのでメンテナンスが必要です。
一方、RPAはRPAはソフトウェアなので、産業用ロボットのような、物理的なメンテナンスは不要となります。
ロボットの力で、人件費や人員削減が出来る点は同じですが、機械のメンテナンスの面倒やコストが少ないのが特徴です。
また、産業用ロボットがブルーカラーの仕事を自動化させて楽にするのに対し、RPAはホワイトカラーの仕事を自動化させて楽にしてくれます。
ロボットによりブルーカラーの仕事革命が起きましたが、今後はホワイトカラーの仕事が、RPAにより革命が起きようとしています。
人間との違い
産業用ロボットではなく、人間と比較すると、RPAの良さが分かります。
疲れ知らず
RPAはロボットなので休憩要らずで、長時間のフル稼働が可能です。
また、疲れたことでミスが増えることも無ければミスをしにくいのも特徴です。
スピードの速さ
更にロボットは人間よりも仕事をこなすスピードが速いです。
極端な話ですが、人間なら何時間もかかる作業も、RPAで自動化すればものの数分で終わってしまう事もあります。
人間では到底不可能なスピードで仕事をこなせるのもRPAの良さです。
文句を言わない
ロボットは基本的に言われたことを勝手に解釈して余計なことをしたり、文句を言ったりすることも無いです。
また、文句などを言って職場の雰囲気を悪くしたり、人間関係が悪くなったりすることもありません。
このような良さがありますので、企業ではRPAで出来ることはそれで補ってしまおうという方も多いです。
賃金アップも要らない
人を雇う場合は、賃金アップや賞与などのお金を要りますが、RPAはそれも要りません。
賃金アップのための要求もされることは無いため、安心して仕事を任せることが出来ます。
出来ることなど
そして、具体的にRPAではどのような業務が出来るかという事ですが、RPAは適用分野によって3つにクラス分けされています。
クラス1は簡単なデータ入力などの事務処理系の業務、クラス2は売上予測などデータ分析系の業務、クラス3は膨大なデータを分析してすると言った高度な業務です。
クラス1の業務例としては、データ入力の他、情報を取得する業務やデータの検証と言ったものがあります。
クラス1からクラス3に上がっていくと、それだけ導入コストは上がる傾向です。
ただ、それに見合うメリットもあり、銀行などで使われているRPAは高い実績を残しています。
クラス1は定形業務の自動化ができ、導入コストも低いので、これからRPAを導入しようと検討している方は、簡単な業務をRPAで自動化する所からはじめるのもおすすめです。
AIとRPA
RPAと関連する技術にAIがあり、AIによるディープラーニングによる学習能力が向上していけば、もっと複雑な業務が将来的に可能になると期待されています。
AIは大量のデータを分析し、判断する事が出来ますが、そうなれば今まで人間がパソコンで行ってきた業務の多くを任せられるでしょう。
通常のロボットより前に改革が起きる
産業用ではなく、通常の人型ロボットが、人間の仕事をこなすのにはまだまだ技術的な難題が多く実用レベルではないです。
しかし、RPAは既に実用レベルで運用されていて、今後はホワイトカラーの行う仕事がどんどんRPAで効率化されていくと予想されます。
まさにロボットによる業務革命が起きようとしているのです。
導入しよう
最後に導入についてですが、導入する前には、RPAで出来るものを洗い出すと言った事が求められます。
RPAは何でもかんでも出来るという訳ではなく、クラスによって導入コストも変わるので、どのような業務を任せるのかの洗い出しは重要です。
RPAの専門事業者もありますので、専門家とよく相談をして決めるのもおすすめです。
まとめ
RPA技術はホワイトカラーの業務を効率化してくれる技術で、現在は多くの企業で使われはじめています。
今後はAI技術の発達により、更に使いやすく、高度な処理が出来るようになる可能性がありますので、RPAに興味がある方は導入も検討してみましょう。
人が行っていた作業をロボットに任せる事が出来れば、その分の時間の節約が出来るようになります。