オシレーター系テクニカルのRSIを使って仮想通貨の取引を有利に進める

仮想通貨

仮想通貨の取引に使えるテクニカル指標の中には、現在の相場の力加減を知ることが出来るオシレーター系と呼ばれるタイプのテクニカルが存在しています。

今回は、オシレーター系のテクニカル指標の中でも最もポピュラーなテクニカルである「RSI」の仕組みと、売買シグナルの読み取り方、使用上の注意点などについてまとめました。




RSIはオシレーター系の代表的なテクニカル指標

RSIは相場の売られ過ぎ・買われ過ぎを50を基点として100~0で示したオシレーター系のテクニカル指標で、同系統のテクニカルとしては最もポピュラーと言えるほど有名なテクニカル指標の1つです。

名称のRSIはRelative Strength Indexの頭文字を取った略称になっており、日本語では相対力指数と表現される事が一般的です。

オシレーター系のテクニカル指標の中でも特に外見や仕組みがシンプルであるため、分かりやすく、仮想通貨の取引を始めたばかりの人でも扱いやすいのが利点の1つになっています。

また、シンプルである分だけ使い勝手もよく、トレンド系のテクニカル指標と併用しやすい点も人気の理由のひとつになっています




RSIの基本的な仕組み

RSIは外見こそ1本のラインが上下に変動していくだけというシンプルな外見になっていますが、その算出方法は若干複雑です。

基本的な算出方法は、設定された一定期間を計算の範囲として、設定された期間の上昇幅の合計を、設定された期間の上昇幅と下降幅を合計したもので除算したものに100をかけたものがRSIの直接的な数値となります。

この計算式によって算出された数値%がRSIの数値となり、現在の相場のレートが過去一定期間の相場の変動幅に対してどの程度の力を持っているのかを知る事が出来ます。

なお、仮想通貨などの取引会社によっては、上述の計算方式ではなく、若干計算方法に変化を加えることで、RSIのラインがよりスムーズな形になる「平滑型RSI」を採用している所もあります(シグナルの読み取り方などは同じです)。

効果的なRSIの設定値

RSIの設定値は、RSIの数値を決めることになる「期間」に加えて、「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」を判断するための%値を何処に設定するのかの3点の設定が必要になります。

これらは基本的には初期設定から変更する必要はないものの、多くの場合のおすすめとしては「設定期間9、買われ過ぎ80%、売られ過ぎ20%」や「設定期間14、買われ過ぎ70%、売られ過ぎ30%」などの設定がメジャーな設定値として利用されています。

設定期間を短くすると、現在のレートに対して過敏に反応する傾向が強く出るため、短期間の取引を繰り返すスキャルピングスタイルの人や、値動きの幅が小さい時に状態を細かく知りたい場合に効果的です。

逆に設定期間を14やそれ以上など長めに設定した場合には同じレートの変動具合でも短期間の場合よりも緩やかなラインを描くようになるため、値動きの激しい場合には設定期間を長めに設定すると分かりやすくなることもあります。

RSIの得手不得手

RSIの仕組みは非常にシンプルですが、その効果がしっかりと発揮される場面は非常に限られており、基本的には一定のレート間を交互に行き交う形を作るレンジ相場においてのみ効果を発揮します。

そのため、RSIにおける基礎的な売買シグナルの1つされる「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」に合わせて逆張り式でエントリーする手法だけを単純に続けていても、利益を効率的に得ることは出来ない仕組みになっているだけでなく、レンジ相場の終了に合わせたトレンドの発生などと合わさると最悪の場合、大きな損失を被る事になります。

また、RSIは過去の値動きを参照して%で返すという性質上、過去の値動きが極端に一定方向へと偏る強い力を持ったトレンド相場ではその効果が全く発揮されない状態になります。

トレンド相場ではRSIは機能しない

先にも書いた通り、RSIはレンジ相場では効果的に力を発揮できる反面、トレンド相場では効果が余り発揮されません。

特に強いトレンドが発生した際には100%や0%に張り付いてしまい機能不全に陥る事が珍しくない他、その状態からわずかな逆行した際には必要以上に過敏に反応してしまう事も少なくありません。

一方で、トレンド系のテクニカルと併用することでトレンド相場の中の戻りを察知したり、トレンド相場の終了を予想したりできる他、、単純にRSIが機能していなかったのが機能するようになったというだけでも相場の中に大なり小なりの変化が訪れた兆しという風に取る事も可能なため、トレンド相場=RSIは全く出番なしという単純な形にはなっていません。

また、計算する期間を長めに設定する事で強いトレンドが発生した場合でも極端な結果になり辛くなるため、一時的に計算期間を変更するのもおすすめの方法の1つです。

基本的には他テクニカルとの併用で使用する

RSIに限らずオシレーター系のテクニカル指標全体の方向性として、それ単体では動作し辛い点があります。

先にも触れた通り、レンジ相場以外では効果が発揮し辛く、強いトレンド相場になると機能不全に陥りやすいため、基本的にはトレンドの発生や方向性を察知することが出来る、移動平均線やMACD、一目均衡表のようなトレンド系のテクニカル指標と併用するのが基本です。

また、トレンド系テクニカルとRSIを併用しているとトレンド系は買いシグナル、RSIは売りシグナルといったように、テクニカル間で異なるシグナルが出現する事があります。

そういった場合にはトレンド相場の場合でも現在の状態が完全なトレンドとは言い切れない状態である事を示すシグナルとして活用する事ができるため、判断する上での重要な材料の1つになります。

RSIの売買サイン「ダイバージェンス」

RSIを使用する際に絶対に知っておきたい売買シグナルが、ローソク足の方向性とRSIの方向性が逆方向に進んでいる事を示す「ダイバージェンス」と呼ばれるシグナルです。

例えば、ローソク足の終値は徐々に切り下がっているのに対して、同時刻のRSIの数値は徐々に切り上がっているような、それぞれの方向性が逆に動いている状態を示します。

この状態が示しているのは、現在発生しているトレンドの終了や方向性の転換を示しており、RSIが示してくれる売買シグナルとしては最も重要度の高いシグナルです。

中でも、70%以上の状態での切り下がり方向のダイバージェンスや、その逆に30%以下での切り上がりのダイバージェンスは相場の方向性が逆転する可能性が強く、重要なエントリーポイントになります。

ダイバージェンスを狙う時の注意点

ダイバージェンスは、逆張り式のトレードと相性のいいシグナルですが、その一方で転換点と見せかけて戻りだったなどのダマシになることも少なくないため、しっかりとした損切りの準備が必要になる点に注意が必要でもあります。

特に、短期間のRSIが機能不全に陥るような非常に強いシグナルが発生している場合には、トレンドの転換と見せかけて再びトレンド方向へと戻る事が多いため、併用しているトレンド系のテクニカルに強い方向性を持ったトレンドが発生していないかなどの情報を併せて検討し、最終的な判断を下すようにするのがおすすめです。

まとめ

RSIは最もポピュラーなオシレーター系テクニカルと言うだけあって仮想通貨の取引においてもその有用性や、シンプルさから初心者でも扱いやすさなど、評価の高いテクニカルの1つになっています。

他テクニカルとの併用は慣れるまで読み取るのが大変ですが、覚えてしまえば単一のテクニカルで判断するよりもはるかに高い確度で取引に臨むことが出来るため、仮想通貨の取引をより効率的に進めていきたい人は、一度RSIとの併用を検討してみるのもおすすめです。






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