体重計で体脂肪率や筋肉量まで測定できるのはなぜ?健康管理に役立つ8つの測定データ

体重計

最近の体重計は機能が豊富になり、ただ体重を測るだけでなく体脂肪率や筋肉量まで測定できるようになりました。

そのような機器は体組成計とも呼ばれますが、従来の体重計と同様に乗るだけで体脂肪率まで測定できるのはなぜなのか、疑問に感じている人も少なくありません。

体重計が基礎代謝量や体の年齢まで含めたさまざま数値を測定できる理由と、その中でも健康管理に役立つ8つのデータについて解説します。




生体電気インピーダンス法で筋肉量を測定

体組成計の機能性を持つ体重計に両足を乗せるだけで体脂肪率を測定できるのは、生体電気インピーダンス法と呼ばれる原理を使って筋肉量を算出する方法によります。

人間の体を筋肉と脂肪に大きく分けて考えた場合、筋肉と脂肪では電気を通す性質が異なります。

両者の違いを利用すれば、体重データと組み合わせることで筋肉の量が求められるのです。

体重計型の体組成計は極板に乗せた両足間に微弱な電流を流し、電気抵抗の値を測定することで筋肉量を推定する仕組みが採用されています。

電流を流すと聞けば不安になる人もいますが、ほとんど感覚できないほど弱い電流に過ぎないので安心して測定することができます。

体脂肪計はもともと両手を使って測定する形で実用化されたのが始まりで、現在は体重計を兼ねる形で両足を乗せて測定するタイプが主流です。

体重計・体組成計の2大メーカーと言われるタニタとオムロンの両方で、この生体インピーダンス法を採用した製品を多く発売しています。

タニタのデュアルタイプ体組成計は筋肉の質まで判定可能

体重計のように両足を乗せることで体組成を測定する製品を開発したタニタでは、筋肉量だけでなく筋肉の質まで判定してくれる体組成計も製品化しています。

たとえ見た目の筋肉量が同じでも、筋繊維の太さや筋肉組織の状態が低下すれば筋力の衰えという形で表れ、身体能力の低下が避けられません。

タニタ製の体重計はいずれも筋肉量や体脂肪率が測定可能な体組成計として発売されており、製品によって機能に違いがあります。

その中でもデュアルタイプ体組成計は筋肉量だけでなく「筋肉点数」の形で筋肉の質まで推定できるのが特徴で、スポーツに取り組んでいる人やダイエット中の人におすすめの体重計です。

性別や年齢に応じた筋肉点数の評価基準もタニタの調査結果として示されているため、自分がどの水準に該当するかが判定できます。




筋肉量がわかれば体脂肪率も判明

体組成計として発売されている体重計で筋肉量が測定できれば、体脂肪率も自動的に決まってくる面があります。

脂肪は筋肉と違って電気を通しにくいため、体脂肪率の高い人ほど測定される電気抵抗の値が大きくなるのです。

仮に体重が同じ人でも、体重に占める筋肉の割合が多いか脂肪の割合が多いかによって健康に与える影響が違ってきます。

当然のことながら体脂肪の割合が多い人ほど肥満の傾向が強く、脳卒中や心臓疾患など生活習慣病のリスクが高くなるので注意が必要です。

最近の体重計には単に体脂肪率を表示するだけでなく、内臓脂肪や皮下脂肪といった脂肪の種類ごとに分けて数値を推定してくれる機種もあります。

体脂肪率と筋肉量から体型を判定

筋肉量と体脂肪率が判明すれば、両者の数値と体重データとを組み合わせることで体型が判定できるようになります。

同じように筋肉量が少ないと推定された人でも、体脂肪率に基づいて判定される「やせ型」と「肥満型」では体型に大きな違いがあるものです。

筋肉量が多い人のうち体脂肪率が低い人は筋肉質と判定されますが、体脂肪率が高い人は「固太り」と呼ばれて外見上は肥満型に近い体型となります。

肥満体型と固太り体型はともに体重がオーバー気味の点で共通しながらも、筋肉量と体脂肪率が異なるため、ダイエット方法なども違ってきます。

そのような体型は測定された数値を使って自分で判定することも可能ですが、体重計が自動的に計算してくれれば手間が省けて便利なものです。

健康を維持するために「やせ型」や「肥満型」と判定された人は標準体型を目指し、「固太り型」の人も体脂肪率を下げる努力が求められてきます。

極板とストレインゲージを併用することで体重も同時に測定

以上のように最近の体重計は多機能化が著しいとは言え、体重計としての基本的な機能も欠かせません。

体組成計として発売されている製品の大半は体重計も兼ねているため、体重と筋肉量・体脂肪率を測定するのに1台購入すれば済むのです。

そうした製品は微弱な電流を流すのに使われる極板の部分にストレインゲージと呼ばれるセンサーが設置されているため、両足を乗せることで筋肉量と同時に体重も測れるように作られています。

体重計だけでなくさまざまな荷重測定装置にも採用されているストレインゲージの上に両足を乗せると、わずかに生じたひずみをセンサーが感知して体重を計測する仕組みです。

身長と体重で決まるBMI値

体重が関係する健康指標の中で最も広く用いられているのは、身長と体重から求められるBMIの数値です。

BMIによる体格指数は肥満度を表す数値でもあるだけに、身長に対する適正な体重の目安を知る手がかりとして生活習慣病予防などに利用されてきました。

身長と体重の数値さえ判明していればBMI値を自分で計算することもできますが、身長はともかくとして体重は日々変動するものです。

日によって数値が異なる体重に基づいて毎日のようにBMI値を計算するのは面倒なものですが、体重計が自動的に計算してくれれば計算の手間が省けます。

最近の体重計なら事前に身長データを入力しておくことで体重を測るたびにBMI値まで表示してくれるため、自分の肥満度が平均よりも上なのか下なのかが一目瞭然です。

体重計で基礎代謝量まで測定できる仕組み

体重計や体組成計の中には筋肉量と体脂肪率だけでなく、基礎代謝量まで測定できる製品も少なくありません。

人間が消費するエネルギーには運動や活動によって消費される量だけでなく、安静にしているだけで消費されるエネルギーも含まれます。

呼吸や心拍・血流に関する働きに加え、自律神経の働きや臓器の働きにも一定のエネルギーが必要です。

生命を維持するのに欠かせないそれらのエネルギー消費のことを基礎代謝と言いますが、その量を推定するにはどうしても筋肉量のデータが必要になってきます。

筋肉量が多い人ほど基礎代謝量も大きくなり、同じ食事量・運動量でも消費エネルギーが多いために、基礎代謝が低い人と比べて太りにくくなるのです。

体重計で測定した筋肉量と体脂肪率を計算式に当てはめれば、年齢や性別によって平均値が変わってくる基礎代謝の量を判定できるようになります。

年齢と性別ごとに集計されている基礎代謝量の平均値と比べて自分の値が高いか低いかを知っていれば、生活習慣の改善やダイエットに役立ちます。

基礎代謝から体の年齢を算出

基礎代謝量や体組成データを総合すると、体の年齢が何歳くらいに相当するのかという目安がわかってきます。

この数字は体重計・体組成計のメーカーによって「体内年齢」「体年齢」などと呼び方は異なりますが、どちらもほぼ同じ概念です。

メーカーごとに独自の計算方法で体の年齢を算出し、自身の健康状態を考える上で重要な指標を与えてくれます。

算出された体の年齢が自分の実年齢より若ければ、基礎代謝量が高く健康状態も良好だという証拠です。

逆に体の年齢が実年齢よりも高いと判定された場合は基礎代謝量が平均値より低くなっている可能性があるので、食事の見直しや運動などを通じた体質の改善が必要になってきます。

まとめ

以上のように最近は体重計にも体組成計の機能が豊富に盛り込まれ、健康の指標となるさまざまなデータを測定できるようになりました。

そうした体重計を導入すれば体重やBMI値だけでなく、筋肉量や筋肉の質・体脂肪率・基礎代謝量も推定されるので体の状態が一目で把握できます。

体重計によってはそれらのデータから体型や体の年齢まで推定できる機種もありますので、そういった製品を購入すればダイエットはもちろん日々の健康管理にも役立つのは間違いありません。






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