板タブとはここが違う。知っておきたい、進化した液タブの特徴。

ペンタブ, 液タブ

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ここ10年で、液晶ペンタブレット、通称「液タブ」市場は、地味に大きくなってきています。

そもそもペンタブレットは絵を描く人向けの電子機器ですから、スマートフォンのように万人向けの道具ではありません。

しかしそれでも値段は下がり、今ではプロのイラストレーターや写真家でなくても使う人が増えてきています。

いざ自分も導入したいと思ったとき、どこに注目して良い機種を選ぶべきか、基礎知識を見に付けておきたいものです。




液晶ペンタブレットのメリット4点

ペンタブレットが「絵を描く道具」として有名になってきました。

同時に、盤面が画面となっていて絵が表示されるタイプの液晶ペンタブレット、通称「液タブ」も普及してきています。

10年ほど前はペンタブレットといえば、いわゆる板型タブレットしか市場に出回っていませんでした。

液晶タブレットも存在しましたが、数十万円する高額な商品なので、あまり一般には流通しなかったのです。

今では、安価になったとまでは言えませんが、プロの漫画家やイラストレーターでなくても液晶タブレットを使う人が増えてきています。

板型タブレットと比較してどのようなおすすめポイントがあるのか、ざっと見ていきましょう。

紙と同じようにペン先に描画される

液晶タブレットの最大の特徴は、「ペン先に画面があって、そこに描画される」こと。

従来の板型タブレットは、手先で専用ペンを操作しますが、描かれた絵は目の前のPC画面に表示されます。

そのため操作者にとっては、「手元を見ないで絵を描く」という一見奇妙な動きをすることになるのです。

もちろん慣れれば問題はないのですが、慣れるまでの期間は液晶タブレットの方が圧倒的に短いと言えましょう。

タブレットPCに慣れていれば同じ感覚で使える

10年前であれば「テレビやPCや携帯電話(もちろんガラケーです)の、画面を直接触って操作する」という発想が珍しいものでした。

その世代の人は、画面に触れる操作それ自体に違和感を感じることがあるのです。

しかし今ではスマホの普及に見られるように、指で画面を触れて操作するのは一般的なデバイスの特徴となってきています。

タブレットPCも、今では珍しいものではありません。

そして液晶タブレットも同様に、「直接画面に触れて操作する」という特徴を備えたペンタブレットですから、タブレットPCに慣れていれば違和感なく使い始められることでしょう。

故障に強い

ペンタブレットの盤面は筆圧を検知する精密な機械構造です。

それでも板型であれば、液晶画面がないだけ部品が少なく、初期不良や故障のリスクは少ないことになります。

長く使い続けられる安定さは魅力ですね。

大きな絵を描きやすい

「板型タブレットでは、長い線を引きにくい」という声があります。

PCではなく実際の紙に長い線を描く場合、目を紙から離して紙全体が見えるようなアングルで描くのが普通です。

しかし板型タブレットで絵を描く場合は、一部分だけを拡大して描くのが普通ですから、絵全体を見渡すのが難しいのです。

また、ペン先に線が本当に表示されるわけではないので、長い線を描くとなると線を引きたい方向と実際に腕が動く方向がずれてしまうことが多々あり、思うように線を描きにくいという人が多いようです。

液晶タブレットであれば、「線を描きたい方向」を実際に見ながら「腕の動き」を調整でき、本物の紙と同じように、絵全体を見渡しながら絵を描きやすくなっています。




液晶ペンタブレットのデメリット4点

板型の後から登場した液晶タブレットですが、単にメリットが増えたばかりではありません。

購入する前に知識として知っておきたい、デメリットとされることについても確認しておきましょう。

値段が高い

最も標準的に売られている人気サイズのペンタブレットはB5サイズでしょう。

一般にB5サイズの板型タブレットが2~5万円から販売されているのに対して、液晶タブレットの相場は10~30万円です。

パソコン本体よりも高価となってしまうケースもあり得ます。

板型タブレットに慣れていると違和感があるかも

液晶タブレットは、板型タブレットの単純な上位互換という訳でもありません。

板型タブレットを操作する際の「前を見ながら手元を動かす」という一見奇妙な動きですが、これは「絵が腕に隠れないで済む」という大きなメリットもあるのです。

このメリットに慣れていると、あえて板型から液晶タブレットに変更した際に使いづらさを感じてしまうかもしれません。

消費電力が大きい

液晶タブレットはその名前の通り、液晶画面を持っています。

PC本体とは別にもう一つ画面を使う訳ですから電気を消費します。

またその電気で熱を持ちやすく、暑い環境の中で絵を描くことになってしまうこともあります。

盤面の上に紙を敷けない

板型タブレットの上に紙を敷くことで、ペン先との適度な摩擦を作ることで、「本物の紙に描いているような感覚」を再現する人がいます。

ペンタブレットを導入する前に、アナログで絵を描いていた頃の感覚に慣れ親しんでいるからでしょう。

ところが液晶タブレットの場合はペン先の下に画面がありますので、紙を敷いてしまうともちろん画面が見えなくなります。

液晶タブレットを選ぶときは、どこに注目すればよいか

液晶ペンタブレットのメリットを知った上でを購入したいけれど、どのような基準でどの機種を選んだらよいか分からないという声もあるでしょう。

具体的な機種名や価格は日々変動しますので、まずは一般的にどのような着眼点が重要なのか見ていきましょう。

サイズで選ぶ

ペンタブレットのサイズは、手軽なハガキ大サイズから、本格的なA3サイズまであります。

一般的には「大きいほど描きやすい」のが特徴で、せっかく購入するのであれば使い勝手も性能も高いB5やA4サイズ以上が良いでしょう。

しかし、「予算が限られていて高額なものは手が出ない」「大きすぎるタブレットは机に置き場がない」といった問題もあります。

特に机の上にパソコンのキーボードがあると置き場や配置に苦慮しますので、使い勝手以外にもそれらの事情を考えたいものです。

使用目的で選ぶ

ペンタブレットを使って絵を描くと一口に言っても、絵のタイプは様々。

マンガイラスト風のイラスト、写真のように写実的なフォトペインティング、写真加工など、絵の種類ごとに多くの使い方が想定されます。

またマンガイラストであっても、個人のWebサイトやSNSに気軽に投稿するイラストから、プロとしての漫画家によるイラストまで多様ですので、ここは用途や絵のレベルに応じて選びたいものです。

ペンタブレット本体を購入すると、ひとつ古いバージョンの描画ソフトが付属していたり、ダウンロードが可能であったりすることがあります。

マンガ用か写真加工用かなど、何を目的としているのソフトが付属するかによって、タブレット本体を選択するという基準もあるでしょう。

自分のレベルに合わせて選ぶ

自分は初心者だから、初心者向けとして紹介されているペンタブレットを選びたいと思う方もいるかもしれません。

それが悪くはありませんが、そもそも液晶タブレットは高価な商品ですから、初心者といってもある程度の機能を備えた機種を選ぶのも手段だと思われます。

使い始めの頃から多くの機能を自分の手で経験しておくことによって、その後自分の得意分野や得意な使い方を覚える際のきっかけとなり得るからです。

まとめ

液タブは従来の板型タブレットに比べて便利で高性能な器具ですが、単なる「上位互換」ではありません。

板タブと液タブそれぞれにメリット・デメリットが存在します。

結局、「慣れれば使いやすい」というのが結論かもしれませんが、わざわざ使いにくい機種に慣れてしまうと、絵を描くのに効率が悪い習慣や癖を身に付けてしまうこととなりもったいないでしょう。

自分の好みや性格に合ったものを賢く選択したいものです。






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