液タブに慣れないときはどうする? 注意したい4つのポイント
液タブは、基本的には板タブよりも初心者向けのアイテムになります。
目線と手元の動きが別々になる板タブと違って、ペンを当てた場所に線が引かれていくため、紙に描いていた人にとっては、違和感が少ないのです。
しかし、それでもなお、なかなか慣れないことがあります。
そんなときは、早く慣れるためのポイントに注目してみましょう。
描き味を変える
液タブは、普通に手元を見て、紙に描くようなスタイルで作業を進めることができます。
それが、初心者でも慣れやすいとされる特徴のひとつですが、もし慣れないとしたら、別の原因を考えなければなりません。
他に違和感の原因になるものとしては、目線に関すること以外だと、紙との描き味の違いがあります。
液タブの表面は、紙と違ってツルツルなので、ともすればペン先が滑りがちです。
そのような描き味の違和感があると、どうしても慣れるのが遅くなってしまいます。
ペンを動かしたところに線が表示される液タブのシステムは、初心者にとってありがたいものではありますが、描き味の方もしっかり改善していかないと、本当に快適な作業はできません。
ペンの滑りを軽減すれば、より紙との差が縮まり、スムーズに描き進めることができるのです。
フィルムによる対策
液タブの描き味を変えるのであれば、専用の保護フィルムを使うのがおすすめです。
保護フィルムといえば、傷の防止や、ブルーライトのカットでも重宝されている便利なアイテムですが、描き味の改善にも、よい効果をもたらしてくれます。
液タブの画面に保護フィルムを貼って描くようにすると、ペンの滑りが抑えられ、より紙に近い描き味になるのです。
紙の表面というのは、とてもサラサラしているように見えますが、完全にまっ平らなわけではありません。
少しだけ凸凹しているので、ペンを動かしたときに、わずかな抵抗感があります。
紙に描くとき、そうした抵抗を意識することは少ないものですが、液タブのようにツルツル滑らないのは、それがあるからなのです。
そして、保護フィルムの中には、紙の表面に近い描き味を再現できる商品があります。
違和感を軽減して早く慣れるためには、ぜひ利用してみてください。
ペン先による対策
紙に近い描き味を再現するのであれば、フィルムを貼る他にも、ペン先を別のものに交換するという方法があります。
液タブのペンは、描き味の異なる他のペン先を使うことで、より描きやすくすることができるのです。
いろいろと種類があるので、自分が使いやすいものを選ぶようにしましょう。
必ずしも紙に近い描き味でなくても、他に快適なものがあれば、それを使っても構いません。
要は、描くときの違和感を軽減できればよいので、「自分に合っているか」という点を重視するのがおすすめです。
視差の軽減
視差とは、ペン先と実際に引かれた線のズレのことです。
フィルムの導入やペン先の交換で、描き味の違和感を抑えることができても、視差が気になってしまうようだと、スムーズに慣れることができません。
この視差が起きてしまう原因は、液タブの画面にあるパネルです。
液タブは、ペン先と表示される線の間に、1枚のパネルが挟まる状態になっており、絵を描くときは、そのパネルの上にペンを走らせることになります。
直接ペンを当てるのではなく、パネルを1枚挟んでいるために、どうしてもわずかなズレが生じてしまうわけです。
このズレによる違和感が大きいと、思うように描くことができなくなり、慣れるまでの期間も長く必要になってしまいます。
とはいえ、最近の商品だと、視差を小さくしたものが多く、それほど極端な違和感を感じることはありません。
それでも、まったくズレがないというわけではないので、その違和感を大きくしないように、注意して使うことが大切です。
角度に気をつける
液タブの視差は、見る角度によって、大きくなったり小さくなったりします。
そのため、視差を小さく抑えた商品であっても、変に急な角度から見たりすると、ズレが気になってしまう可能性もあるのです。
したがって、視差の影響が大きいと感じるときは、角度を変えてみましょう。
違和感を感じないくらいのちょうどよい角度であれば、快適に描くことができます。
安すぎる商品は避ける
最近の液タブは、技術の進歩により視差が少なくなっていますが、激安で売られているような商品だと、その点はあまり期待できません。
あまりに安すぎる商品は、コストを抑えるために何かを削っていることが多く、視差への配慮も行われていない可能性があるのです。
そのため、違和感を少なくして早く慣れたい場合は、使用する液タブを値段だけで決めないようにしてください。
やたらと高額なものを買えばよいわけでもありませんが、ある程度のお金はかけるようにして、極端に品質の低い商品は避けておきましょう。
描きやすい姿勢で
液タブは、液晶モニタの画面を見ながら描くのではなく、液タブ本体だけを見ていればよいので、容易に姿勢を変えることができます。
板タブの場合、違和感を減らすために姿勢を変えたくなっても、画面が見づらくなることは避ける必要があるため、あまり自由に動くことはできません。
しかし、本体の画面に直接描き込む液タブであれば、それだけを膝の上に移動させたり、横向きに座って描いたりもできます。
また、縦にしたり横にしたり、置き方を変えるのも自由自在です。
そのため、早く慣れるのであれば、自分が最も描きやすい姿勢になることをおすすめします。
余計なストレスを減らして、どんどん練習するようにすれば、自然と上達が早くなるのです。
ただし、サイズの大きいものは重いので、あまり簡単に動かすことはできません。
姿勢や置き方を変えながら描くのであれば、小型の液タブにしておきましょう。
簡単なものを描く
描き味や視差、姿勢などを考えて、違和感やストレスを極力減らしておけば、慣れを妨げるものはなくなります。
それでも慣れるのが遅い場合は、練習法を見直すのも、ひとつの方法です。
例えば、初めての液タブで、いきなり人物の絵を描こうとしても、なかなか思い通りに作業を進めることはできません。
それまでは紙に描いていて、液タブを使うのが初めてなのであれば、まずは簡単なものから始めるのがベストです。
確かに、液タブは板タブよりも初心者向けではありますが、ここまで説明してきたように、描き味や視差といった違いがあるため、紙とまったく同じということはありません。
それらを軽減するための対策を講じるとしても、いきなり難しいものを描くのではなく、まずは慣れるための練習から始めるべきです。
記号や文字で練習
初心者が液タブ慣れるためには、単純な丸や、文字の練習をするのがおすすめです。
ただ丸を描くだけでも、慣れていないと、あまりきれいな円にはなりません。
そのため、まずは簡単なものをきれいに描けるようになりましょう。
文字の練習をするときも、ただやみくもに書くのではなく、きちんとした形にすることを意識してください。
最初はじれったく感じてしまうこともありますが、板タブの練習よりは簡単なので、すぐできるようになります。
そこから少しずつステップアップしていくのが、初心者に最適な練習法なのです。
まとめ
液タブに慣れることができず、思うように絵をかけないときは、イライラしてしまうものです。
そんなときは、ここで紹介したポイントを思い出して、慣れを邪魔する要素を取り除きましょう。
違和感やストレスを少なくして、快適な環境で練習していけば、上達するまでの時間は短縮できます。
うまく描けなくても、決してやけになったりせず、落ち着いて対策を考えていきましょう。