案外と「定番」がない。電子レンジ選びでぜひとも押さえたいポイント
電子レンジの価格は、まさにピンキリ。
機能についても「単機能レンジ」と呼ばれるような超・シンプルなものから、ほぼ何でも調理できてしまうような、「レンジ」の枠を超えるようなものもあります。
そこそこ有名なメーカーでも6,000円~1万円でシンプルなレンジをリリースしていますし、5-6万円以上となる多機能レンジも。
引っ越した・前のものが不調になったなどで「とりあえず買う」という場合でも、どうしたら良いのか迷ってしまうものです。
予算に相当な余裕があるなら、とにかく高ければ良いのか?
といえば、そういうものでもありません。
シンプルなら使いやすいか?
というとこれもまた言い切れず、「あ、あの機能がない!」と買った後で困ってしまうことも。
店頭で見る・買うことにもメリットはありますが、電気店などの店員さんの「ノセ」が上手な場合、吟味不足で買ってしまうこともあるので、注意です。
チェックポイントを押さえながら、考えてみましょう。
電子レンジで主に何をしたいのか、考えましょう
どんな電子レンジでも、「飲み物を温める」「冷えた惣菜を温める」といった基本機能は備えています。
しかし、「本当にそれだけ」で良いのでしょうか。
これは人・家庭によって大きく違います。
自分・家族が電子レンジで何をしたいのか、あるいは買い換えなら、これまでどう使ってきたのか、考えることが大事です。
温めるだけなら、シンプルが一番
「コーヒーやお茶を温める、できあいの惣菜を温める、昨晩作った料理を再加熱する」こういったことだけなら、シンプルなレンジが一番です。
シンプル系レンジは5,000円台から入手でき、操作方法に迷うこともほとんどないでしょう。
必要としていた機能を忘れることも
シンプル系のレンジで十分とする人でも、たとえば「あ、前のはパスタを作る機能が便利だった」など、買い換え後に気づくことがあります。
タイマー機能とワット数切り替え機能しかないような「単機能レンジ」では、「解凍」の機能がないこともありますね。
家族全員がシンプル派だとしても、各自、何か特別な機能を欲していないか、相談の上で決めましょう。
ハイクラスな電子レンジで「調理」をしたいなら
比較的高価なレンジでは、オーブンでパンやケーキ、グラタンなどが作れるほか、焼き魚、フライ、煮物など多様なものが作れます。
スチーム機能を搭載して「蒸す」ことができるレンジも。
これらの場合、機種によってできることが大分異なってきますので、Webカタログなどで良くチェックしておくことが大事です。
また、どうしても生じるデメリットとして操作が複雑な場合も多く、「できることが多くても、使いにくい」ということにならないようにしたいですね。
オーブンレンジは、もはや高くない
1990年代あたりまでは、「オーブンレンジは高い」として、コスト面からオーブン機能を避ける人もいました。
今や、コスト面で避ける必要はない
しかし2010年代では、特に希望しなくてもオーブン機能はついてくるのが実状です。
シンプル系のものなら、オーブン機能についても簡素な操作しかありません。
無理に避ける必要はないでしょう。
グラタンやパン作りも楽しめる
オーブン機能を使えば、十数分、二十分などじっくり時間をかけてグラタンやドリアなどを作れます。
この温かさは、やはりレンジ機能だけでは得られないものです。
「それほど料理に自信がない」という人でも、たまに使ってみると料理レパートリーが増えるかも。
500Wと600Wの違いとは
500Wの電子レンジ、600Wの電子レンジ、双方を使い分けられるレンジもあります。
どれぐらい違うのか
単純にいえば、500Wでは、同じ加熱をするのに600Wの1.2倍の時間がかかります。
それほど大きな差ではないため、「折角なら高出力のほうが」と考えるより、慣れている出力のほうが買い換え時でも移行しやすいこともあります。
家庭用でもかなりパワーが出せるもの、100Wなどに手動設定できるものもあります。
しかし一般のレンジ調理用食品は500Wと600Wでの調理についてだけ説明されていますので、その点は注意です。
業務用レンジでは
ネットを使えば、業務用の電子レンジも買えます。
100V 対応であれば一般家庭でも使えます。
これらの場合、多くは1800Wほどの出力です。
つまり家庭用の約3倍ということ。
コンビニエンスストアやスーパーなどでも使われており、機能は絞り込まれたものがほとんどです。
いわゆる「調理」ではなく主に「加熱」専用ですが、使い方を限定すれば便利です。
7万円~12万円ほどもしますから、わざわざ新品を買う必要はナシ。
とはいえ、ネットオークションサイトで出物を探してみるなどは面白いでしょう。
使い勝手やサイズは、店頭やサイトで確認
電子レンジは、人にもよりますがほぼ毎日使うもの。
いわゆる「スペック」だけでなく、「実際の使いやすさ」も大事です。
良く使いそうなボタンをチェックする
「あたためる」「スタート」などのボタンは、使用にあたり最も良く使うものでしょう。
このあたりの配置や大きさが家庭に合うかも、調べておきたいところです。
また、「2分30秒」などと設定する場合でも、「2」「30」と数字キーで入力するものもあれば、「分」ボタンと「秒」ボタンを押すスタイルのものもあります。
昔からあるダイヤル型のタイマーも、案外使いやすいとして2010年代では見直されています。
こういったあたりは、好みも大きな部分であり、店頭やサイトで良く確認しておきましょう。
サイズに注意
特に高価なレンジを買う場合など、その機能に目を奪われ、「本体サイズ」を忘れがちです。
これらは店頭でも数字・見た感じを確認できますが、「家に持ってきたら、存在感がありすぎる状況になった」などのことも。
メジャーを用意し、公式サイトなどでサイズをチェック。
実際どれぐらいなのかイメージをつかんでから購入しましょう。
最低でも、「置けなかった」などのことは避けたいものです。
大事なボタンが壊れやすくないかは、重要ポイント
他の家電でも言えることですが、「粗悪」なメーカーのものでは「電源」など重要なボタンが壊れやすいという話が良く出ます。
電子レンジでも、やはり一番良く押すのは「スタート」などのボタンや、時間の設定ボタンでしょう。
こういった、使用頻度の高いボタンの耐久性を高めてあるのが、信頼度あるメーカーの製品です。
もし「スタート」などのボタンが反応しなくなり、それだけのために修理をするとしたら…?
一時的に家にはレンジがないことになり、何だかとても残念ですね。
そもそも、一台だけで良いのかも考える
平成初期あたりまででは、電子レンジが家に2台以上あるなどは、よほどの大家族でもなければありえない状態でした。
しかし電子レンジが安くなっている時代で、そう、所有台数に気を使う必要があるでしょうか。
2名以上いるのなら
「電子レンジで2-3分の加熱をしたいのだけど、家族が20分ぐらいかけてグラタンを作っている…」。
このような状態は、何とももどかしいものですね。
2名以上で住んでいるのなら、思い切って複数台の電子レンジを買うのも、おすすめな選択なのです。
メーカー間の使い勝手の違いなども、2台使ってみればリアルに見えてきますね。
使い方の好みに合わせて
「夫は良く電子レンジで魚を加熱するが、私は、ニオイがつかないよう、キッチンの専用グリルで魚を再加熱するのが好き」など、家庭内でもレンジの使い方で好みの差がでることがあります。
こういったことでいちいち揉めたりするぐらいなら、複数台用意するのは良い手ですね。
もちろん、万が一レンジが壊れた際でも、2台持っていれば焦ることはありません。
まとめ
電子レンジを買うにあたっては、いくつか押さえたいポイントがあります。
人気シリーズ・人気のラインがないわけではないですが、「これが定番」といった製品がなかなか存在しないジャンルです。
となれば、やはり自分で・家庭で判断することが大事です。
思い切ってシンプルに振るもよし、ハイスペック期に振るもまた良し。
特にハイスペック機を買う場合、ついその機能に目を奪われ、「そもそも何のために買うのか」を忘れたのでは本末転倒です。
トースターや単機能オーブン、キッチンのコンロ・グリル・IHヒーター、炊飯ジャーなど、他の調理器具とのバランスも考えて購入しましょう。