ペンタブレットの練習でトレースするときのコツは?4つの注目ポイント
ペンタブレットは、デジタルで絵を描くための重要なアイテムですが、慣れるまでに時間がかかることもあります。
そんなときは、練習法に気をつけなければなりません。
漠然と描いていても、なかなか慣れることができませんが、しっかりと効果的の高い方法で練習すれば、上達も早くなります。
そこでおすすめなのが、トレースを行うことなのです。
ここでは、トレースで練習するときのポイントについて紹介していきます。
どうやってトレースするか
トレースは、すでに完成した他の人の絵をなぞる練習法になります。
この方法であれば、何もない状態でやみくもに描くより、ずっと効果的です。
とはいえ、初めてのデジタルなら、「ペンタブレットでのトレースはどうやるの?」という戸惑いもあります。
アナログだと、トレーシングペーパーを利用したトレース方法もありますが、慣れないペンタブレットでは不安を感じてしまうものです。
しかし、ペンタブレットでのトレースは、とても簡単にできるので、初心者であっても問題はありません。
トレースしたい絵の画像を用意して、それをペイントソフトに取り込めば、すぐに練習を始めることができるのです。
まず、取り込んだ画像を開いて不透明度の設定を行い、元の絵を薄くしてください。
あとは、トレース用のレイヤーを作り、その上から描いていくだけです。
イメージとしては、元の絵にレイヤーという紙を一枚重ねて、透けて見える線をなぞる感じになります。
線を描き込むのはトレース用のレイヤーなので、元の絵に上書きしてしまう心配はありません。
好きな漫画やイラストを見つけて、どんどん練習していきましょう。
絵を選ぶときのコツ
ペンタブレットでトレースをするときは、「どんな絵を使うか」という点も、重要なポイントになります。
選ぶ絵によっては、あまりよい練習にならないこともあるので、注意しなければなりません。
初心者が練習するなら、できるだけシンプルな絵を選びましょう。
細かい線をたくさん使うような複雑な絵は、練習に向いていません。
例えば、漫画の『ベルセルク』『乙嫁語り』といった作品は、描き込みの量が尋常ではなく、思わず見惚れてしまうものです。
しかし、いきなりそんな絵を選んでしまうと、あまりに難しすぎて、途中で投げ出してしまう可能性があります。
初心者がペンタブレットに慣れるなら、もっと線が少なく、簡単に描けるものを選んでください。
おすすめは、アニメのイラストです。
アニメは絵を動かさなければならないので、複雑なデザインを避けているものが多くあります。
線の多い漫画をアニメ化するときも、原作のデザインでそのまま動かすのではなく、少しシンプルなデザインを新たに作っているものです。
そのため、アニメのイラストなら、初心者でも描きやすく、練習には最適なのです。
どんな絵をトレースするか迷っている人は、ぜひ試してみてください。
考えながら描く
トレースは、基本的にはなぞるだけの作業ですが、だからといって、漠然と手を動かしているだけでは、なかなか効果を得ることができません。
本当によい練習をするためには、しっかりと考えながら描くようにしましょう。
例えば、線を1本引くにしても、その線には強弱があるものです。
元の絵の線が強いものになっているなら、「なぜ強い線になっているのか」「強く描くことでどんな効果を出しているのか」ということまで考えてみてください。
ただそっくりに描くだけでなく、そうした細かい点もきちんと考えるようにすると、優れた技術を吸収することができるのです。
立体だとどうなるか
トレースでは、絵を立体的に捉えて考えるのも、よい練習法になります。
絵は平面なものですが、そのまま見てなぞるより、立体になったところをイメージした方が、より理解を深めることができるのです。
例えば、絵の中のものを別の角度から見た状態を想像してみると、「なぜその位置なのか」「なぜそのような動きなのか」ということまでわかるようになります。
そうすると、自分でオリジナルの絵を描くときも、よいヒントになってくれるのです。
このように、トレースをするときは、「その絵がどのように描かれているのか」ということを分析していきましょう。
完成するまでの工程を想像してみると、その感覚が自分の中にきちんと残るため、引き出しを増やすことにつながります。
きれいに描きすぎない
トレースをするときは、考えながら慎重に描き進めていくことが大切です。
ただなぞって数をこなすのではなく、1回1回の質を重視していきましょう。
しかし、質を上げるといっても、きれいに描くことにこだわりすぎると、失敗してしまう恐れもあります。
トレースといえば、なぞるだけの簡単な作業のように思えてしまいますが、初心者がいきなりきれいに描けるわけではありません。
元の絵にぴったりと合わせて描くのは、意外に難しい作業なのです。
そのため、「できるだけきれいに描かなければ」という考えにとらわれすぎると、何度もやり直すことになり、一向に先へ進まなくなってしまいます。
量より質が重要なことは確かですが、いつまでも同じところばかり描いているようでは、諦めてしまこともあるので、この点には注意しなければなりません。
最初はそこそこ合っていればいい
ペンタブレットでトレースをするなら、最初のうちは、「線をきれいに描く」ということに気を取られず、ある程度サクサクと進めることも大切です。
もちろん、きれいに描く練習をすることも重要ではありますが、最初から無理に合わせようとするのはやめましょう。
それで投げ出してしまったのでは、元も子もありません。
焦らなくても、描いているうちに慣れてくれば、自然ときれいになっていきます。
トレースをするときは、きっちり合わせることよりも、絵の理解を深めることを優先させてください。
先述したように、トレースのコツは、絵を分析しながら描くことです。
練習の質を上げるなら、そちらの方にこだわっていきましょう。
雑すぎてもいけない
「きれいに描くことにこだわりすぎない」というのは大切なポイントですが、だからといって、雑に描いてもよいわけではありません。
無理に合わせる必要はありませんが、あまり雑な描き方は避けるべきです。
特に、シャッシャッと素早く手を動かす描き方には気をつけてください。
勢いよく動かすと描きやすく感じることもありますが、初心者のうちからそれを続けていると、悪い癖がついてしまうことがあるのです。
変な癖をつけないためにも、雑な描き方にならないよう、注意して練習していきましょう。
慣れてきたら並べて描く
トレースは、ただなぞるだけで終わるのではなく、慣れてきたらステップアップすることも大切です。
線の上手な描き方や、そのためのペンの動かし方など、トレースで得たさまざまな要素を駆使して、もう一段上の練習をしていきましょう。
そこでおすすめなのが、元の絵をなぞるのではなく、横に並べて、それを見ながら描くという練習法です。
これは、トレースではなく模写になりますが、通常のトレースからレベルを引き上げるためには最適なので、ぜひ試してみてください。
いきなり模写をする方法もありますが、初心者が行うにはハードルが高いので、できればトレースで慣れてから始めることをおすすめします。
まとめ
ペンタブレットでのトレースは、初心者にもおすすめの練習法ではありますが、ただなぞっているだけでは、それほど高い効果は期待できません。
せっかくトレースをするなら、ここで紹介したようなポイントをしっかり押さえて、効果的な練習をしていきましょう。
コツを意識して取り組めば、他の絵から多くのことを吸収できます。