RPAの導入価格は高そうに見えても実はコスト削減に効果アリ?人件費から確認してみよう

RPA

RPA Robotic Process Automation: As empresas e os negócios na velocidade da luz (Portuguese Edition)

RPA(Robotic Process Automation)は導入コストの大きなソフトウェアです。

数十万円からものによっては百万円を超えるものもあり、そのほとんどはライセンス制となっています。

毎月ないし毎年高額なレンタル機器にお金を支払うようなものといえるでしょう。

ですが結果的には導入した方がコストの削減に効果があったりします。

今回はコスト削減という面からRPAについてみていきましょう。




社員にかかる維持費は高い

当たり前のように社会には働いている人がたくさんいます。

ですが会社の社員にかかるコストはかなり高く、1人を雇うだけでも会社にとって年間の維持費は大きな負担となるでしょう。

スーツを着たサラリーマンが闊歩している光景は普通のようでいて豊かな経済基盤の上に成り立っているといえます。

例えば毎月2,30万円ほどの給料を得ながら働いている人物を考えてみましょう。

彼にかかるコストは給料額だけで計算するなら年間12ヶ月で240万円から360万円となります。

ですが会社で働く以上、様々な社会保険料を会社は負担しなければいけません。

労災保険や雇用保険はもちろん払わなければいけませんし、厚生年金保険料や健康保険料についても会社は折半する必要があります。

特に厚生年金保険料と健康保険料は年々上昇していますし社会保険料の中でも占める割合は高く結構な負担となるものです。

大体社会保険料を給与額の15%と考えれば、年収240万円の方の場合は276万円、年収360万円の方の場合は414万円ほど会社は負担しなければいけません。

またボーナスを3ヶ月分程度と考え、さらに各種手当についても加算していけば負担額は跳ね上がるでしょう。

給与を削るという方法もある

人件費に着目した場合、給与額を減額するという方法で現状を凌ぐことも可能です。

各種社会保険料は減額することができないので、泣く泣く給与額を減額することでコストは削減できます。

またボーナスはそもそも社員の給与を調整するために設定されている任意のお金なので支払わなくても構いません。

ですがこうした対応を取ると社員の心は会社から離れていくはずです。

頑張って働いているのに給与額が減ったりボーナスが支給されなければ仕事への希望も失われます。

意欲の減退は成果の劣化にも繋がるでしょう。

また中には怒りを込めて非難されるかもしれません。

社員が働けるよう会社を維持するために給与額を減らすという決断をしたのにも関わらず非難をされる可能性があるのです。

社員の立場に立てば分かることでもありますが、給与の削減を決定することは色々な問題が噴出するきっかけにもなるでしょう。




リストラによるコスト削減によるリスク

会社の財政が急激に悪化したりどうしてもこのままでは維持できない場合、社員をリストラするという方法がしばしばメディアによって取り上げられます。

特に大企業であればあるほどリストラは多くの社員に影響を与えることになるため話題性が高いといえるでしょう。

そしてリストラを行った企業は非難されたり著しく評判を落とすことになるのです。

社員からすれば突然生活の基盤が失われることになりますし、それまで勤勉に働いていた思いや功績が全て否定されるわけですからたまったものではありません。

そのため集団で決起し裁判を起こすことも珍しくないものです。

そして有用な新社会人もそうした企業を目指そうとは思わなくなるでしょう。

企業にとって人件費は途轍もなくコストの高いものですが、容易に削減できるものでもありません。

リストラというのは企業と社員にとって双方に傷を負わせる方法であって、かなり強引な方法です。

関わった人々の心証なども考えるとリスクの高い行為といえるでしょう。

どれも人を雇うことで起きる問題

人件費が高額になる原因は、雇っているものが人だからです。

人は傷つく恐れがあるため労災保険を必要とし、会社を辞めた後の生活もあるため雇用保険が必須なのです。

また老後の生活のために厚生年金保険料を支払い、傷病を癒すための金銭的負担を軽減するために健康保険料を国に納めています。

また給与の削減やリストラによる人件費のカットにまつわるリスクも全て人の心理的な働きによるものです。

やる気の減退、倦怠感、怒り、恨みなどはいずれも人由来の感情となります。

このように、人件費のコスト削減には人だからこその問題がたくさん噴出するのです。

そこで考えてみたいのがロボットを労働者に見立てるという視点です。

そしてその視点こそがRPAの発想となります。

ロボット労働者の誕生

RPAは「ロボットによるプロセスの自動」という意味をもつ言葉になります。

ロボットといっても人体を模した二足歩行ロボットというわけではありません。

パソコンで動くソフトウェア上のロボットです。

現在、パソコン上で様々な仕事ができるようになりました。

何らかのデータを元にして資料を作ったり、メールで資料を添付したりと様々な仕事をこなすことができます。

例えば帳票の作成や注文書の作成、それから営業へ現地の資料を添付したメールを送付するなど色々とあります。

こうした仕事をソフトウェアロボットに行わせるのがRPAなのです。

一体そんな事が可能なのか疑問に思われるかもしれませんが、一定の条件を満たせば簡単に実現できてしまいます。

定型的な作業をこなせる

ソフトウェアロボットは登録した命令通りに動くことができます。

例えばリスト化されているデータ群Aとデータ群Bが存在するとき、この2つのデータを加工してデータ群Cを作るとしましょう。

このとき、同じ作業を繰り返しながらデータ群Cを作る場合RPAは簡単に適用できます。

また、複数のソフトウェアにまたがって作業をさせることもできるので、このデータ群Cのデータを抜き出してメールに添付するということも可能です。

定型的な作業である以上RPAなら行う事ができるため、上手く作業を登録させることさえできれば業務は非常に効率的なものとなるでしょう。

人間ではないことのメリット

RPAは登録した作業どおりに動くだけのソフトウェアロボットなのですが、別の言い方をすればロボット労働者ともいえるでしょう。

このロボット労働者、人間とは違った様々なメリットを有するため注目する価値はおおいにあります。

まず第一に人ではないため社会保険料を支払う必要がありません。

RPAには会社外の生活というものはなく人生も存在しません。

そのためあらゆる煩雑な費用を支払わなくても良いのです。

またコスト面からみても社員を1人雇うよりも圧倒的に安く済みます。

ほとんどは年間ライセンスによる契約となるのですが、安いものでは数十万円から利用することができます。

一見高いように見えますが、社員1人の年間の維持費よりも圧倒的に安価といえるでしょう。

それからロボットなのでヒューマンエラーが発生する余地がありません。

作業は効率的で高速、かつミスを出すことはないのです。

人のようにミスをしたりミスを隠蔽したり開き直るなんてこともありません。

このように、ロボットを労働者としてみた場合、コスト面からも管理的な面からみてもかなり有用な社員となるでしょう。

上手く運用さえできればとても有用

RPAは優秀なソフトウェアではありますが人間より柔軟性はありません。

特性としては定型的な処理に強いものの、特殊な処理には弱いといえるでしょう。

特に創造的な分野では人間には太刀打ちできません。

ですが経理処理やデータ作成などの分野では人間よりも格段な成績を残すことができます。

RPAは適用する場所さえ適切であれば大きな成果とコスト削減を達成することができるでしょう。

何にでも適用できるわけではありませんが、上手く運用できればメリットの大きなソフトウェアなのです。

まとめ

RPAについてコスト削減という面からみてきました。

企業にとって大きな負担となるのが人件費ですが、RPAを利用すれば大きく削減できる可能性があります。

また社員に関するコストを削減する際に発生する様々な問題もRPAを導入することによって解決できるかもしれません。

もし定型的な処理に大きな人件費を割いているならRPAの導入を検討する余地は十分にあります。

RPAというロボット労働者を上手く使ってコストの削減を考えてみましょう。






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