設定に注目して小さいペンタブレットを使いやすく調整しよう
デジタル環境で絵を描く道具として主に「液晶タブレット」と「ペンタブレット」があります。
液晶タブレットは小さいものでも高価なのでなかなか手の届くものではありませんがペンタブレットであれば1万円以下で買えたりするので手軽です。
ですが手軽に買えるタイプのペンタブレットは小さく、特に大きなモニターを使っている場合には扱いが難しいといえるかもしれません。
今回はそんなときに見直したいペンタブレットの設定についてみていきましょう。
大きさと比例して高くなるペンタブレット
世の中には様々なペンタブレットが存在しますが、基本的にはサイズが大きくなればなるほど高くなります。
同じモデルであっても描画できる領域が大きいほど値段はどんどん上がり、プロが使う製図用のものになるとおいそれと手を出すことはできません。
また冒頭で述べたように液晶タブレットは特に高価なものとなっています。
そこで「ちょっとパソコンで絵を描いてみたい」と思う場合に目につくのが「小さいペンタブレット」です。
確かにお安い価格で十分手の届く範囲の価格帯なのでちょっと気合を入れれば買えるでしょう。
これで思い通りに絵を描くことができるようになった…と思いきやそう事は上手く運びません。
小さいサイズには小さいサイズなりの問題が含まれているのです。
それはモニター画面とのサイズが全く異なるという点です。
小さいペンタブレットに絵を描くのですが、それを表示するモニターは通常ペンタブレットよりも大きいため違和感が生じてしまいます。
例えばペンタブレットのサイズがモニターよりも5分の1ほど小さい場合、ペンタブレット上に1平方センチメートルの四角形を描いたらモニターでは5平方センチメートルで描画されてしまうのです。
少しペンを移動させただけでペンはびゅんびゅん走り思うように描く事ができません。
そして段々と飽きてしまいUSBを引き抜きそこらに放置、果ては「あれペンタブどこ行ったっけ…」なんてことになるのも不思議なことではないのです。
大きければ良いわけでもない
ただペンタブレットが大きいからと言って問題が解決するのかというと、問題はそう単純ではありません。
大きいと大きいなりの問題が発生してしまうのです。
例えば置き場所。
常にペンタブレットをマウスの代わりに使い続けるのであれば常時設置しても良いかもしれませんが、マウスとキーボードを使いたい場合には非常に邪魔な存在となります。
またきちんと置き場所を考えておかなければキーボードとマウスを片付けてペンタブレットを置くという面倒な作業が待っているのです。
こうなると次第に「でかくて重い板」と化すのも時間の問題かもしれません。
置き場所の問題を解決することができれば大きいペンタブレットは良い道具となるでしょう。
そのため大きなペンタブレットを購入したいならまずは周辺環境を整えることから始めるべきです。
逆からみるとこうしたサイズの問題は小さいペンタブレットの場合、完全に解決することができます。
使わないときは手近なところに置いておけば良いですし、必要になれば片手でヒョイと持ち上げてキーボードやマウスをささっとずらせば良いだけです。
サイズ的には圧倒的に小さいペンタブレットが有利なので、部屋が手狭な場合は小さい方をおすすめします。
マッピングを調整しよう
小さいペンタブレットで描きにくい原因はモニターとのサイズがぜんぜん違うからです。
ではどうすればこの問題が解決されるのかというと、タブレットが描画できる領域を調整すれば良いということになります。
デフォルトではモニターの全画面が描画できる領域として設定されていますが、これを制限して領域を制限してみましょう。
ワコムのペンタブレットの場合はいろいろとペンタブレットの設定ができるようになっています。
きちんとドライバがインストールされていればコントロールパネルに「ワコム タブレットのプロパティ」という項目があるはずです。
これを実行して適切な設定をしていきましょう。
もしかしたら他のペンタブレットにも似たような項目があるかもしれません。
ともかく設定画面を開くことができたら「マッピング」のタブを開いてください。
すると「表示エリア」と「タブレット操作エリア」というものが表示されているはずです。
このうち「表示エリア」を選択して調整していきます。
デフォルトは全画面
デフォルトでは項目の中で全画面が選択されているはずですが、ここで「一部領域」を選択してみましょう。
すると3つの調整方法が表示されるはずです。
1つはマウスによる操作エリアの調整で、これは今のところ使わなくても良いでしょう。
2つ目もマウスで操作しますが、こちらはペンタブレットと対応する座標を手動で選択していくことになります。
最初に左上の座標をクリックし、次に右下をクリックすればそれらの座標で構成された四角形がペンタブレットの描画領域と対応することになるのです。
ただこの方法は目視でやるにはややアナログ的といえます。
3つ目は座標を入力してペンタブレットと対応する描画領域を指定する方法です。
ただこの座標入力に使う単位が解像度の数値だったりします。
そのため少し分かり辛いかもしれません。
まずは試しに3つ目の数値入力の方法で現在のサイズの半分を入力してみると良いでしょう。
全画面を操作することはできなくなりますが、それまで暴れていたペンタブレットの挙動が少しは落ち着くはずです。
マウスと併用しながらパソコンを操ることになる反面、ペンタブレットを容易に使えるようになるでしょう。
定規を駆使して原寸大
モニターの半分ぐらいが描画領域になればそれ相応にペンタブレットが扱いやすくなるのですが、もっと違和感を拭い去りたいなら原寸大にするしかありません。
ですが入力しなければならないのはピクセル値という単位であってセンチメートルではありません。
またペンタブレットの範囲も目に見て分からないはずです。
そんなときはペンタブレットの型番を検索して下さい。
すると「読取可能範囲」という項目があるはずです。
とりあえずその数値を覚えておきましょう。
次に定規を取り出し、モニターの左上を原点として読取可能範囲分の領域を測って下さい。
そして先述した表示エリアの調整方法の2、マウスによる描画領域の設定をこの定規で測った領域で設定するのです。
そうすれば何と、原寸大のペンタブレットの描画領域ができあがります。
小さな小さな原寸大
いざこうして設定してみるといかに小さいペンタブレットの描画領域が小さいのかが分かるはずです。
結構大きめの本体と比較すると一回りほど描画領域は小さく、戸惑うかもしれません。
ですが描き味は正にアナログと同じ設定になっているはずです。
ただ、アナログと同じはずなのですがここで新しい問題が出てきます。
意外と違和感がするかもしれない
ペンタブレットを原寸大の描画領域と対応させると妙に描き辛い感じがするかもしれません。
ようやくそれこそ最適な設定にできたはずなのにおかしなはなしと思われるでしょう。
恐らくこれは、これまでのペンタブレットの挙動に慣れてしまったからです。
不便な環境で絵を描いてきたことでむしろその環境が自分の中でデフォルトとなってしまい、むしろ最適な環境で違和感を感じるというのはどこかしら教訓めいたものを感じますが、仕方ありません。
このままこの原寸大の描画領域に慣れるのも良いですし、一度全画面に戻してみるのも良いでしょう。
最適な描画領域を探っていこう
もし原寸大も全画面もしっくりこないのであれば最適な描画領域を探る他ありません。
果たしてそれがモニターの半分の領域なのか、それとも3分の1の領域なのかは誰にも分からないでしょう。
いわゆる自分にとって最も納得できる描画領域を見つける必要があるわけです。
まとめ
ペンタブレットの描画領域の設定方法についてみてきました。
小さいペンタブレットを使う以上、モニターのサイズとの違和感は拭えない問題です。
まずは表示エリアを半分に設定してみることから始めてみると良いでしょう。
なお原寸大で描く体験はこれまで全画面でしか描いてこなかった場合新鮮なものとなるはずです。
小さいペンタブレットを活用するためにいろいろと調整してみて下さい。