加湿器はどう選ぶ?注目すべき5つのチェックポイント

加湿器

加湿器で部屋の湿気を適度な状態に保つことは、風邪や静電気などを防ぐためには大切なことです。

しかし、初めて購入するときは、どれを買えばよいのかわからず、困ってしまうことがあります。

加湿器にもいろいろな種類があるので、漠然と見比べていたのでは、なかなか決めることができません。

そこで、選ぶときに役立つチェックポイントについて、詳しく説明していきましょう。




加湿の方法

加湿器は、タンクの水を水蒸気にすることで部屋の加湿を行います。

ただし、その方法は製品によって異なるので、選ぶときは違いをしっかり把握しておくべきです。

それぞれの違いをよく考えて、最も使いやすく、自分に合ったものを選ぶようにしてください。

では、代表的な4つのタイプの特徴を、簡単に紹介していきます。

気化式

気化式は、水を吸ったフィルターにファンで風を当てることにより、蒸発を起こします。

ヒーターで加熱して水蒸気を出すわけではないため、基本的に熱が発生せず、室温にほとんど影響がありません。

ただファンを回すだけでよいため、電気代も安く済ませることができるのです。

ただし、ファンを回すときにどうしても音が出るため、静音性はあまり高くありません。

スチーム式

内蔵したヒーターで水を加熱するタイプです。

気化式と違って、加湿時に熱を発生させるため、室温が上昇することになります。

最近は、水の沸騰を抑えることで熱さを軽減した製品もあるので、部屋の温度が気になるときはチェックしておきましょう。

また、電気代が気になるときも要注意です。

ヒーターを使うことで消費電力が大きくなるので、コストを抑えたいときはあまり向いていません。

超音波式

超音波で水を蒸発させるタイプなので、スチーム式のように電気代がかかることはなく、気化式のようなファンの音も発生しません。

ただし、除菌機能を必ず確認しておく必要があります。

加熱でも気化でもない方法で水蒸気を発生させると、水の中の雑菌などをそのまま放出してしまう可能性があるのです。

それだと衛生的によくないので、除菌機能がないモデルは避けるようにしてください。

また、水蒸気の粒が大きくなりがちなので、水滴にも注意しましょう。

ハイブリッド式

ふたつの方式を組み合わせたタイプで、「温風気化式」「加熱超音波式」の2種類があります。

温風気化式は、気化式とスチーム式のハイブリッドになっており、水を吸ったフィルターにヒーターで温風を浴びせるものです。

ファンだけの気化式より効率のよい加湿が可能になりますが、ヒーターを使うため消費電力は大きくなります。

加熱超音波式は、スチーム式と超音波式のハイブリッドであり、加熱してから超音波で水蒸気にする仕組みです。

しっかり加熱することで、超音波式のネックだった衛生面のデメリットを解消しており、普通に使っても雑菌が拡散するようなことはありません。




設置タイプ

加湿器には、大きく分けて3つの設置タイプがあります。

どこで使うかは人それぞれですが、適当に選んだものを設置するのではなく、きちんと最適なタイプを使うようにしてください。

では、3タイプの特徴を紹介しましょう。

据え置き型

最もスタンダードな設置タイプであり、部屋の床に置いて使うものです。

容量の大きいタンクにたっぷり水をためておくことができるため、加湿能力が高く、かなり長い時間使えるようになっています。

普通に部屋の加湿を行うなら、このタイプを選んでおきましょう。

卓上型

据え置き型よりもコンパクトなサイズになっており、机の上に置いて使うことができます。

小型のため加湿能力はあまり高くありませんが、乾燥しやすい季節のデスクワークなどでは重宝されるタイプです。

デザインに工夫を凝らしたものも多いので、デスク周りのちょっとしたインテリアとしても使うことができます。

スティック型

かなり小さいサイズになっており、どこかに置いて使うのではなく、持ち運んで使いたいときに便利なタイプです。

加湿能力は低くなっていますが、外出先などで加湿が必要なときは役立ちます。

USB接続に対応したものもあるので、出先でノートパソコンにつなぐ方法もおすすめです。

加湿能力

加湿能力は、使用する部屋の大きさを踏まえて考えなければならないポイントです。

例えば、かなり広い部屋を加湿したいとき、加湿能力の低い製品を購入したりすると、あまりよい効果は期待できません。

広い部屋にしっかりと水蒸気を行き渡らせるためには、できるだけ加湿能力の高いものが必要であり、900~1,000mL/hは欲しいところです。

逆に、小さな個室で使う場合は、300mL/hもあれば十分に加湿することができます。

そのため、加湿能力をチェックするときは、どこを加湿するのか、事前にはっきりさせておきましょう。

各製品の表示をよく見て、設置場所に適した性能があることを確かめるようにすれば、失敗を防ぐことができます。

サイズに注意

加湿能力の高いものは、サイズも大きくなってしまうので、置き場所のスペースもしっかり考慮しておいてください。

いくら加湿能力が高くても、大きすぎて置く場所が確保できないようだと、使うことができません。

また、重量の問題もあります。

サイズに比例して重量も増すことになるため、移動で苦労しないためには、大きすぎないものを選んでおくべきです。

キャスターやストッパーなど、動かすときに役立つ機能にも注目しておきましょう。

タンクの容量

タンクの容量が小さいものを選ぶと、大きな部屋で使うときは、かなり面倒なことになってしまいます。

すぐに水がなくなってしまうため、何度も給水しなければならず、余計な手間と時間をとられることになるのです。

それを防ぐためには、部屋の大きさをよく見て、それにふさわしい容量を選ばなければなりません。

加湿能力の場合と同じで、部屋が狭ければ小さい容量でも構いませんが、広い部屋を隅々まで加湿するのであれば、きちんと大容量のものを使うべきです。

ただし、あまり大きいタンクだと給水作業が大変になるので、むやみに容量ばかり優先するのは、よくない選び方になります。

使うときのことをよく考えて、デメリットの少ないものを選択しましょう。

メンテナンスのしやすさ

加湿器は、何も手入れをしないまま使い続けていると、さまざまなデメリットが発生してしまいます。

例えば、排水作業がしにくいものを選んでしまった場合は、中でカビが繁殖し、使うたびに臭気を撒き散らすようになります。

いつも清潔な状態で使うためには、排水しやすいものを選び、使わないときはタンクを空にしておくことが大切です。

また、フィルターの交換がしにくいものを選び、同じものを長く使いすぎたりすると、だんだん性能が低下してきます。

そうなると、いくら使ってもよい効果が得られなくなってしまうので、フィルター交換の頻度や方法は、しっかりチェックしておいてください。

変に難易度が高くないものなら、こまめに手入れを行い、本来の性能を長く維持することができます。

フィルター交換がいらないタイプでも、洗う作業は必要になるので、その方法も忘れずに確認しておきましょう。

まとめ

ひとくちに加湿器といっても、加湿方式や設置タイプ、メンテナンスのしやすさなど、製品によってさまざまな違いがあるものです。

それらをチェックしておかないと、使いにくいものや、効果が弱いものを購入してしまうことも多いので、選ぶときは注意しなければなりません。

ここで紹介した選び方のポイントをしっかり押さえて、失敗を防いでいきましょう。






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