データの共有に非常に便利なNASだけれど、デメリットも存在する
近年のデジタル化の波、その進化はめざましいものがあります。
多くの新しいシステムの登場で、仕事も格段に楽になってきました。
特にデータの共有ということに関しては、NASの登場によって大きく進化してくれました。
このネットワークを利用してのデータの共有を可能にしたNASのおかげで、仕事の効率も大きく上げることが可能になったのです。
勿論家族間のデータ共有なども、見逃せないメリットですね。
NASと言うのは簡単に言うと
NASはNetwork-Attached Storage の略語で、要はネットワークを介した外付けHDDのことです。
コンピュータの頭であるHDDは、限界が存在します。
そのHDDの容量以上のものは、処理ができないのですね。
例えて言うと、自宅のクローゼットにあまりに多くのものは詰め込めません。
それこそパンクしてしまいます。
なので普段使用しない季節用品やレジャー用品は、外の物置に入れるとかもしくは、レンタルスペースに入れておいたりします。
必要な時にそこから出して使いますね。
これと同じことで、外付けのHDDはこのレンタルスペースや外の物置にあたります。
あまりに多くなった情報やデータを、外の置き場所に置いておくわけです。
このHDDは昔からありましたが、これをネットワークで共有することを可能にしたのが、NASなのです。
ネットワークで共有できるので
これまでのHDDの場合、USBなどで接続して使用していました。
なのでそのHDDが手元にあって、接続して使用できる機械も手元にないと、利用できなかったのですね。
1対1での使用になるわけです。
しかしNASの場合、ネットワークLANを使用して接続しますので、複数の機器との接続も可能です。
ネットワークに接続してあるデバイスなら、使用が可能だということです。
なので家庭では、家族での写真などが入ったHDDを、手元になくてもNASに接続すればすぐに見ることが可能です。
また出先で、スマホなどの使用によって誰かに見せることも出来るのです。
1箇所でドシンと構えていた情報が、軽快にフットワークも軽く動き出した、と言う感がありますね。
仕事上でも同じことで、同じ社内の情報のやり取りが格段に楽になります。
また出先で取引先などにデータを提示するのも、携帯用のパソコンが利用できますので、時短でしかも正確な提示が出来ることになります。
メリットの多いNASだけれど
こういったメリットが非常に多いのが、NASの使用です。
すでに導入した会社や個人も多く、また導入を考えている人も多いはずですが、そこは一応デメリットもありますので、いくつか上げておきます。
導入や設定が結構大変
通常の外付けHDDなら、コンピュータなどにUSBを差し込めばすぐに使用できます。
持ち運びに不便だと言っても、この手軽さは見逃せません。
しかしNSAの場合、まずこれを導入しなくては始まりません。
どの機種にするかから始まって、設定まで全部しなくてはなりません。
家庭用の小さなものならそれほど問題はないものの、代わりに自分で全部しなくてはならないという問題があります。
セキュリティから接続まで全てなので、機械やパソコン、ネットワークに詳しくない人の場合、ここがネックになってしまいます。
企業の場合は規模が、家庭用とは大きく違います。
その接続と設定だけでも、かなりの時間と労力が必要になります。
場合によっては新しい部署の立ち上げも必要になったりもします。
セキュリティについても、仕事関係の情報が詰まっていますから、完璧にしなくては意味がありません。
まあ企業の場合は、プロに頼んで接続設定など全て頼むほうがおすすめですね。
メンテの手間など考えると、そうしたほうが結局効率的です。
これは怖いHDDの破損
最も怖いのがこれ、HDDの破損です。
会社などの場合、全てのデータが消えてしまうことになります。
何しろ一つの場所にデータが集まっているのですから、そこがだめになれば全部アウトということです。
共有している人のデータも飛んでしまいます。
これを防ぐためにも、バックアップは欠かせません。
特に会社の場合、バックアップを二重にするなどの対応が望ましいところです。
データ復旧サービスも無いではありませんが、全てのデータが復旧できる保証はないのです。
ネットワーク環境によっては速度の問題が
USB接続のできる外付けHDDの場合、その速度はコンピュータの能力によります。
しかしNASの場合それに加えて、ネットワーク環境の問題も起きてきます。
NASそのものは問題ないのですが、NASとコンピュータの間の機器の関係で、スピードが遅くなることがあるのです。
無線LANの場合ファイルのコピーが遅くなることがあります。
同じことがNASの場合も起きる可能性があるということです。
急ぎの仕事のファイルのコピーなどという時には、余裕を持って行っておきたいですね。
持ち歩きは出来ません
当たり前のようですが、NASは据え置きです。
なので外付けHDDのように持ち歩きは出来ません。
急に出先で大きなファイルのコピーが必要になった時など、残念ながら対応が難しくなることがあります。
出先でも、スマホやタブレットでもデータ共有できるNASなのですが、こういったケースの時には手軽に動けないということです。
どうしても必要なのか熟考して
デジタル関係をやっていると、新しい技術は出来るだけ早く導入したくなるものです。
このデータの、ネットワークを介しての共有というのも大変に魅力的ですが、実際のところ本当に必須のものなのかを熟考してみましょう。
家庭用の場合は
家庭にも1台これがあればデータを分かち合うことが出来る、なので導入と思う人も多いと思われます。
また個人用の仕事で、出先でも家のパソコンにあるファイルを必要とする要な場合もあるでしょう。
なのでNASの導入となりますが、パソコンやネットワークに詳しい人、そういった部分に興味があり好奇心もある人以外は、技術的にいささか難しいですね。
導入設定でかなりの専門用語も飛び交いますので、そこで挫折する人も多いかと思われます。
家庭用のNASの導入でおすすめなのは、離れたところに実家があってそこともデータを共有したいなどの場合です。
この場合離れた家族ともすぐにデータを分かち合うことが出来るので、大変に便利です。
また個人的に出先での情報を使用して、自分の持っている情報も使用して仕事をする場合も、NASのしようはおすすめになります。
会社の場合は
大手の企業の場合、導入は情報量の多さから大変だと思われますが、逆に導入する時の方法、専門業者に依頼、新たな部署を立ち上げるなどは問題なく出来ます。
何しろ規模がある程度大きい企業なら、そういった関連にも充分資金を出せるからです。
しかし小さな会社、個人企業等の場合は、これはよく吟味しての導入がおすすめです。
会社内でのデータ共有が本当に必要なのか、それとも普通の外付けHDDで充分に対応ができるのかなどもそうです。
また会社規模が小さければ、ネットワークを通さずに直接の情報交換も出来るはずです。
セキュリティやメンテの問題、導入の費用と見合うかどうかもよく熟考してからがおすすめとなります。
まとめ
新しいシステムや技術というのは、本当に魅力的なものです。
プライベートも仕事も格段に楽にしてくれそうだと思えば、これは導入したくなって当たり前ですね。
しかし何にでも、メリットがあればデメリットというものはあるものです。
NASも同じことです。
そのデメリットを考慮に入れても、導入したほうがプラスになるのかも、しっかりと考えて下さい。