NASのメリット!業務で役立った点や助かった点をレビュー
小規模な会社に勤めていて、会社のファイル共有にはNASを使用しています。
シンプルな機能しかなく家庭用に少し機能がプラスされた程度のものですが、何度か業務上の危機を救ってもらいました。
最初はファイルサーバーじゃないから堅牢性が心配でしたが、意外と耐久性にも優れていると感じます。
業務でNASを利用している立場として、役立った体験談などを紹介しましょう。
NASとは
Network Attached Storageの略で、ネットワーク接続を通してファイル共有が可能になる記憶媒体の一種です。
サーバーほど大掛かりなものではありませんが、簡易的なファイルサーバーとしても活用できます。
管理機能やバックアップ機能なども付いていますし、設定を行えばファイルごとのアクセス制限なども行えます。
高機能なものあらリモートアクセスも可能ですから、外出先からデータにアクセスすることもできます。
小規模会社のファイルサーバー代わりに利用
今の勤務先はオフィスに5、6人しかいませんから、ファイルサーバーで管理するほどのシステムは必要ありません。
それ以外のメールサーバーやWebサーバーなどは運用管理やコストの面から、全て外部委託しています。
ファイルサーバーはオフィス内の数人でファイルを共有できればいいだけなので、NASで運用されています。
入社してからNASが交換されたのは一度だけで、前のNASは10年近く使用していたと聞いています。
10年近く無事に動いていたなら、パソコン以上に壊れにくくて耐久性もありますし、ファイルサーバーとして十分に役立ってくれます。
NASを導入するメリット
毎日の業務でNASを使用していて、導入すると便利だと感じるメリットについてお伝えしましょう。
安全にファイル共有できる
小規模な人数でもファイルを共有できるというのが大きなメリットです。
2、3人程度ならパソコンの共有機能を使ってファイル共有する方法もありますが、4、5人くらいになるとそれも面倒ですしセキュリティ的に不安が残ります。
オンラインストレージを利用してファイル共有する方法もありますが、インターネット上ですから何が起こるかわかりません。
インターネットが使えない時には、業務がストップしてしまいます。
社内LANでつかながっているだけのNASならそんな心配がありませんし、みんなが必要な時に必要なファイルをすぐに使用することができます。
大容量でデータの蓄積に向いている
パソコンや外付けハードディスクと比べても、NASは容量が大きくて大量にデータを保存しておくのに向いています。
画像や動画ファイル、音声ファイルなど1つの容量が大きいファイルでも、気にせず保管できるのがメリットです。
うちの会社でも、数年分の書類を電子化したファイルを蓄積していて、データベースと連動させて管理しています。
まだまだ容量には余裕がありますから、あと数年はこのままの状態でも運用可能です。
機能面が充実している
設定さえしておけば、ファイルやフォルダごとにアクセス制限をかけられます。
特定の人にしか見えないようにもできますし、閲覧のみ可能にするなど、アクセスレベルも細かく設定できます。
外付けハードディスクなどとつないでバックアップスケジュールを組んでおけば、自動でバックアップも可能です。
サーバーのようにRAIDを組むこともできますから、トラブル発生時でもデータが吹っ飛んでしまう心配がなく、スムーズに普及できます。
オンラインストレージとの比較
NASがなくてもファイル共有するなら、オンラインストレージを活用して共有する方法があります。
うちの会社ではNASのリモートアクセスは許可されていませんから、社外の取引先とファイル共有する場合にはオンラインストレージを使っています。
社内のファイル共有と比べるとやはり回線速度が遅くてイライラする時がありますし、インターネットを介している以上、セキュリティ面での不安も感じます。
社内LANでアクセスできるNASなら回線スピードも早くストレスもたまりませんし、セキュリティ面での不安はそれほど感じません。
小規模企業でも色んな会社がありますから一概には言えませんが、オンラインストレージよりもNASの方が安心ですし、数名程度で利用するならおすすめです。
NASを導入していて助かったこと
業務上でNASがあったからこそ助かったという経験もあります。
そんな体験談をお伝えしましょう。
バックアップからファイルを簡単に戻した
NAS上に保管されていた過去のデータを使って、新規のファイルを作るつもりでした。
フォーマットだけ流用するつもりで、中のデータを全部消してファイル名を変えて保存するつもりだったのです。
うっかりしていてそのままファイルを上書きしてしまって、気づかずに仕事を続けていました。
上司が元ファイルにアクセスしたら、真っ白な状態で中のデータが消えていたと怒られて、初めて上書きしてしまったことに気づきました。
パソコンの中のデータならどうしようもありませんが、NAS上に保管されていたファイルだったから助かりました。
とりあえず、今作成中のファイルをローカルに保存しました。
前日のバックアップから消してしまったファイルを引っ張り出して来て、消えてしまったファイルは無事に元に戻せました。
うっかりミスで業務に多大な影響を与えてしまうところで冷や汗をかきましたが、NASのおかげで助かりました。
パソコンがクラッシュしてもデータは無事だった
社内ではリースパソコンを使用していて、私が使っていたものは古い型の物でした。
ちょうど数年分のデータベースをいじっていた最中で、ローカル環境内とNASとの両方にデータは保存されていました。
突然、パソコンの画面がブルーバックになってクラッシュし、大事な数年分のデータが吹っ飛んでしまいました。
パソコンの方はすぐに代替機を用意してもらえたので、業務への影響はほとんどありませんでした。
大変だったのはデータベースの方です。
基本はローカル環境で運用するタイプのデータベースだったので、ファイルが破損してしまって起動すらしなくなっていたのです。
データベースはソフトをインストールすればいいのですが、中身のデータが破損していた状態です。
1日の終わりにバックアップとしてNASに中のデータだけを保存するようにしていました。
そのおかげで、多少のデータロスはあったもののNASからデータを吸い上げてデータベースに戻し、前日までの状態にまで戻せました。
その後、データベースはNAS上に置くように設定変更して、データのバックアップをローカルに残すようにしました。
顧客への対応に過去データを活用
ファックスで届いた紙書類を自動で電子化して、一定期間NASに保管してあります。
紙媒体の方は必要な一部の書類のみファイリングして紙で残してありますが、それ以外は破棄しています。
ある時、取引先から数日前にファックスで送ったという書類を向こうのミスで失くしてしまって、残っていなかと問い合わせがありました。
紙媒体の書類はすでに破棄されていましたが、NASに電子化されたものが運よく残っていました。
メールに添付して取引先に送り、取引先からも喜ばれました。
まとめ
NASを使ったのは今の会社が初めてですが、使い勝手が良く業務でも助けられています。
ネットワークやITには大して強くない素人ですが、十分活用することができています。
ファイルを社員同士で共有できるという点だけでも素晴らしいし、会社の規模や業務内容とも合っています。
まだ導入していない小規模な会社やフリーランスの方がいるなら、メリットが大きいですから使ってみて欲しいです。