NASとは何か【概要や特徴、おすすめしたい方、代表メーカー5選】
オフィスなどの事業所でのデータ共有に限らず、家庭においても様々な部屋でメディアを楽しむためのデータ共有の重要性が増してきています。
そんな場面での活躍が期待できるのが、NAS(ナス、Network Attached Storage)です。
今回、このNASについて大まかな特徴を説明し、おすすめしたいユーザー像についても触れ、最後に主要メーカ―のおすすめモデルを紹介していきます。
NASとは
NASとは冒頭でもお話しした通り、ネットワークに関連する機器です。
一言で説明するとネットワークとつながったハードディスクのことになります。
通常のハードディスクは単独でネットワークとつながり複数の機器と接続するのは困難なのですが、NASという機器の一部となることでネットワークによる接続が可能となり、ネットワーク内のあらゆる機器とデータのやり取りを行うことができるのです。
また、動画や画像、エクセルやワードなどと言ったあらゆるデータを家の中のネットワーク内の機器同士で共有が可能となります。
NASの仕組みについて
NASの仕組みについて大まかに説明すると、NASを直接ルーターやハブに接続することで、そのネットワーク内(有線やwifiなどのLAN接続されている機器内)のパソコンやテレビ、あるいやスマホやタブレットなどと接続され、データが共有できるというのがNASの仕組みです。
つまり、ハードディスクにネットワーク接続を管理する装置を付けたものがNASということになります。
もちろんこのハードディスクは容量の大きいものや速度の速いものへの交換はもちろん、複数のハードディスクをつけることもできます。
NASをおすすめしたいユーザー
NASをおすすめしたいユーザーは複数の部屋で動画などの大きなデータを共有したいユーザーです。
クラウドで管理するという方法もありますが、数百メガ~数ギガクラスのデータをインターネット経由のクラウドで管理するのは転送速度など問題で現実的ではありませんし、有料のサービスを利用するなどやや不便な点も多いです。
また、アカウントなどの問題で共有に支障があったりしますから、そういった意味で複数の部屋で大きなデータを共有したりするユーザーにおすすめしたいです。
もちろん、それ以外のユーザーであっても自宅や自前のネットワーク内でデータを管理するということはセキュリティを含めて大きな利点ですから、不便なことはないはずです。
代表的なメーカー
海外の大手三メーカーSynology、QNAP、NETGEARに対してバッファローやアイ・オー・データ(IODATA)が対抗する形となっているのが日本のNASの販売状況です。
基本的な性能を重視する国内メーカーに対して実用性や先進性、本質を追求するなど様々な視点から製品製造をおこなう海外メーカーという特徴があります。
いずれのメーカーも積極的に製品を投入し、ユーザーの選択肢の幅を広げているという点で、消費者にとっては歓迎すべき状況になっています。
IODATA
IODATAは北陸の周辺機器メーカーです。
以前からハードディスクなどんお周辺機器の販売を行っており、NASもそう言った実績を生かした製品作りを行っています。
日本のメーカーなので、サポート体制は万全となっており、初心者でも安心してNASを導入することができます。
RECBOX HVL-S2の特徴
IODATAの人気モデルです。
ハードディスクは一つしか入っていませんが、必要最低限の機能で価格も安価な事から、最初の一台として導入しやすいと言えます。
外見もシックなデザインで室内のインテリアの雰囲気を壊さないのも魅力です。
ただ、裏を返せば拡張性がやや低いため、数ギガのデータを日常的に保管するようなヘビーユースな場面ではやや物足りなさを感じるかもしれません。
もちろん通常の使い方であれば十分な機能を持っています。
Synology
Synologyは台湾のメーカーでNASの分野においては世界最大級のメーカーの一つです。
2000年の創業と比較的若い企業ですが、その技術力の高さから一躍世界有数のブランドへと成長を遂げました。
ユーザー視点の実用性を重視することに定評のあるメーカーで使いやすさにおいて人気があります。
DiskStation DS218jの特徴
Synologyの日本でも人気のあるモデルです。
ハードディスクを2つ搭載でき、片方をバックアップに回すような運用も可能です。
価格もリーズナブルで、使いやすさにも優れていますが、ハードディスクは別売りなので、改めて用意するという点で多少知識が必要なモデルです。
それでも初心者向けのため、本格的な機能を備えつつ使いやすくしてあるため意外と簡単に導入することができます。
バッファロー
バッファローは名古屋のパソコン周辺機器メーカーです。
冒頭で紹介したIODATAとともに日本では老舗のメーカーとして外付けハードディスクなどの販売で実績があります。
こちらも日本のメーカーらしく、日本で利用する分には非常に手厚いサポート体制が敷かれており、安心してNASの導入を行うことができます。
LinkStation LS210D0201Gの特徴
ハードディスクが一つしか内蔵されていないものの、非常に安価でシックなデザインなことから、抵抗なく導入できるモデルと言えます。
そう言った理由もあり、国内では人気モデルの一つとして販売されています。
ただ、ハードディスクの選択肢がないのと搭載できるディスクが一つだけなので、RAID(複数のハードディスクを組み合わせて、速度を上げたり、バックアップをさせたりする仕組み)を導入できないなどのデメリットもあり、やや物足りない仕様となっています。
QNAP
QNAPは台湾の大手NASメーカーです。
2004年の新興メーカーで、先進的な取り組みに積極的な性格のモデル展開を行っており、ヘビーユーザーにも定評のあるブランドです。
また、個人の利用の他にも企業向けの製品も非常に積極的に行っており、企業からの信頼も築きつつあります。
NASにおいてこれから目が離せない注目のメーカーです。
TS-231Pの特徴
データの処理を行うCPUが二つ付いていることから処理が速く、時にもたつきを感じることがあるNASも非常に快適な動作が期待できます。
また、ハードディスク以外にもSSDと呼ばれる半導体の記録装置にも対応しており、そのスピードを更に速めてくれます。
導入をするのは少し慣れた方におすすめです。
NETGEAR
NETGEARはアメリカのNASメーカーです。
中小企業向けのネットワーク機器の製造を得意としており、そのノウハウを生かしてNASの製造も手掛けています。
NASの創成期から携わった企業を吸収しており、NASの本質を追求することで定評のある大手海外メーカーです。
ReadyNAS 214 RN21400-100AJSの特徴
やや高額ですが、4つのストレージ(ハードディスクなどの記録媒体)を一つのNASに組み込める非常に高い拡張性を持っています。
個人利用であれば問題のない拡張性で、1080pフルHD のトランスコーディング機能によってスムーズに動画などの再生を行うことができるパワフルなモデルとなっています。
まとめ
まとめとして、自前のネットワークを利用するNASは非常に多くのメーカーが参入していますが、基本的には使いやすいものを選ぶのが良いと言えます。
もちろん人によってそれは異なりますから、様々なレビューや公式サイトの説明などを見て判断し、導入することをおすすめします。
導入した暁にはきっと利便性の高さに満足される方が多いはずです。