ペンタブレットの芯を交換するときに気をつけることは?4つの注意点
ペンタブレットは、デジタルでイラストを描くときの必需品ですが、快適に作業を進めるためには、芯の交換が重要になります。
消耗した芯を新しいものに交換することで、常にスムーズな書き心地を維持することができるのです。
ただし、交換するときは注意点もあるので、失敗しないためには、きちんとチェックしておくようにしましょう。
時期を見極める
ペンタブレットの芯を交換するときは、「どうなったら交換の時期なのか」という問題があります。
使っていれば消耗してしまうことは誰でも想像がつきますが、交換が必要なタイミングまでは、いまいちわからないことも多いのです。
替え芯の値段はそれほど高くないとはいえ、まだ使えるものをどんどん交換してしまったのでは、さすがにもったいないので、しっかりと交換の時期を見極める必要があります。
目安となるのは、ペンから出ている部分の状態です。
ペンから出ている芯が1mm以下になっているときは、かなり消耗している証拠なので、そろそろ交換の時期ということになります。
また、先が平らになってきたときも、交換が必要なサインです。
そうした変化があったときは、放置していると描きづらさを感じるようになるので、きちんと交換するようにしましょう。
筆圧にもよる
ペンタブレットの芯の消耗具合は、使う人の筆圧でも変わってきます。
筆圧が低い人よりは、やはり高い方が消耗は早くなるので、自分の筆圧が高いと感じている人は、こまめに芯をチェックすべきです。
油断していると、いつの間にかひどく削れているということもありえます。
それでは、快適に絵を描くことはできません。
注意して観察し、短くなったり平らになったりしているときは、早めに交換しておくようにしましょう。
芯の特徴をよく見る
ペンタブレットの芯には、さまざまな種類があります。
そのため、交換するのであれば、それぞれの特徴をしっかり把握しておくことも大切です。
よくわからないまま適当に選んでも、自分に合うものを見つけることはできないので、注意してください。
では、主な芯の特徴について、簡単に説明していきます。
標準芯
標準芯は、ペンタブレットを買ったときに最初から入っている、標準装備の芯です。
そのため、芯のなかでは最もメジャーなものであり、付属の替え芯があるときは、他の芯よりも多めに入っていたりします。
引っかかりのようなものがなく、滑るようになめらかな線を引くことができるので、髪の毛の表現などがしやすいという特徴をもっています。
ただし、ペンタブレットのツルツルした感触に慣れていない人だと、その滑りがデメリットになってしまうこともあるので、もし合わないと感じたら、別のものを使ってみましょう。
ハードフェルト芯
標準の芯を使ってみて、「滑りすぎてうまく描けない」と感じるようなら、ハードフェルト芯を試してみてください。
ハードフェルト芯は、触ったときにザラザラした感触があり、描いたときにあまり滑らないようになっています。
そのため、鉛筆で紙に描く感じに近いものがあり、ずっとアナログだった人には、違和感が少なくて描きやすい芯なのです。
ただし、摩擦が大きいだけに消耗するのも早く、筆圧が高い人だと、あっという間に使いたおしてしまいます。
そのため、筆圧が低めの人におすすめです。
エラストマー芯
ペンの滑りを抑えるのであれば、エラストマー芯もぜひ試してみてください。
エラストマー芯は、ゴムのような弾力があるので、ザラザラした摩擦のあるハードフェルトと違い、吸い付くような感触があります。
摩擦による抵抗に違和感がある人でも、ゴムのようなエラストマー芯であれば、すんなり描くことができる場合もあるので、標準でもハードフェルトでもだめだったときは、ぜひ試してみてください。
また、しっかりした弾力があることで、筆圧の強弱がはっきり出るという特徴もあります。
ストローク芯
ストローク芯は、中にバネが入っており、ペン先を押し付けたとき、わずかに沈み込む感覚があります。
そのため、紙の表面にペン先を押し込むような感じで描いていくことができ、アナログに慣れている人でも使いやすくなっています。
特に、漫画を描くときに使われるGペンとよく似ているので、その感覚に慣れている人なら、サクサクと描き進めることができるのです。
また、バネがあることで筆圧の調整もしやすくなっているので、なるべく忠実な描き方をしたい人にもおすすめです。
ステンレス芯
ステンレス芯は、他の芯よりも値段が高いですが、頑丈で長持ちするという特徴をもっています。
そのため、筆圧が強く、すぐに芯を交換しなければならない人でも、長く使うことができるのです。
描き味はボールペンに近いものがあるので、紙の感覚に近づけたいときにも役立ちます。
ただし、硬くて頑丈なために、ペンタブの板にかかる負担も大きくなる点には注意が必要です。
しかっかり保護シートを貼っておかないと、板が傷だらけになってしまうので、ステンレス芯を使うなら、必ず用意しておきましょう。
また、硬い芯を交換するときは、決して雑に作業をしてはいけません。
乱暴な方法だと、その硬さのために、ペンの感知部分を傷つけてしまう可能性があります。
無駄なダメージを与えないように、優しく丁寧に扱っていきましょう。
代用できるものがないか
ペンタブの芯を交換で、なるべくお金をかけたくないなら、代用できるものがないか、家にあるものをチェックしてみてください。
ステンレス芯以外の芯でも、何度も交換していればそれなりの金額になってしまうので、出費が気になってしまうときは、他のもので工夫してみましょう。
例えば、赤ちゃん用の綿棒は、フェルト芯に近い描き味になるので、芯を自作するときにはよく使われるものです。
ハードフェルトほどのザラザラ感はないので、かなり使いやすい芯になってくれます。
また、竹串を使った芯も、鉛筆に近い描き味になるため、デジタル初心者にはおすすめです。
ただし、竹の硬さは板を傷つける可能性があるので、ステンレス芯と同じく、保護シートが必須になります。
パスタはよくない
ペンタブレットの芯の代用品としては、パスタが挙げられていることもありますが、これはあまりおすすめできません。
パスタはすぐに折れてしまうので、それほど役に立たないのです。
それどころか、折れたパスタが中で詰まってしまい、ペン自体を買い替えなければならないこともあるので、余計な出費を増やさないためには、使わないようにしましょう。
針を用意しておく
ペンタブレットの芯を交換するときは、古い芯がなかなか抜けず、かなり手こずってしまうことがあります。
そんなときは、針を利用してみましょう。
ペンから出た部分に針を突き刺し、そのままゆっくりと引き抜く方法なら、普通に抜けなかった芯でも、スムーズに交換することができます。
ただし、この方法が有効なのは、ハードフェルトやエラストマーなど、ある程度の柔らかさがあるものです。
硬いものには針が刺さらないので、そのときは、手芸用の小さいハサミなどで摘まむようにしましょう。
まとめ
ペンタブレットは、何度も使っているうちに芯が劣化してしまい、だんだん描きづらくなってくることがあります。
なるべく快適に絵を描くためには、しっかり芯を交換して、常にベストな状態にしておきましょう。
そのときは、ここで紹介した注意点も頭に入れておいてください。
交換の時期の見極めや、芯の種類の把握がきちんとできていれば、失敗することはありません。