加湿器に関する基本情報と採用されている4つの加湿方式
日本の冬場は空気が乾燥する時期となっていますので、自宅で長く過ごすリビングや寝室に加湿器を使って快適な湿度に調整している方も少なくないと思いますし、乾燥に弱い繊細な肌や喉である新生児や小さな子供がいる家庭などは加湿器にお世話になる機会も多いと思います。
また、加湿器を初めて購入してみようと考えている方もいると思いますので、この記事では加湿器の基本的な情報を中心に紹介していきたいと思います。
加湿器の基本情報
ご家庭に加湿器を取り入れようと思った場合、それぞれの家庭で主体とする目的が異なっている場合があると思います。
また、商品名の通りに室内を加湿するための製品というのは分かっていても、その他の機能性、効果、弊害などにまでは意識していない方も少なからずいると思います。
それらを踏まえまして、ここでは加湿器の機能や効果、弊害などに関する基本的な情報を紹介していきます。
加湿器の機能
加湿器は、室内の湿度を高めるための装置となっており、家庭では主に冬場の乾燥した時期に使う機会が多くなっています。
この湿度を高めるということが加湿器の基本的な機能となっているのですが、加湿器には気化式加湿器、蒸気式加湿器、ハイブリッド式加湿器、超音波式加湿器と4種類に分かれており、加湿の仕組みや機能性、室内温度の上昇、殺菌効果など、加湿器の方式やモデルによっても機能性や効果に違いがあります。
加湿器の効果
加湿器を使うことによる効果は、乾燥した空気を加湿器を使うことによって湿度を高め、ウイルスなどの活動を抑制する働きがありますので、風邪の予防など体調管理に役立つ働きがあります。
また、その他には室内のハウスダストの飛散の抑制、静電気発生の防止などが挙げられ、湿度を40%程度に高めることでこれらの効果に期待が持てるようになります。
さらに、肌の乾燥を防ぐ効果もありますので、女性や小さな子供がいる家庭を中心に重宝されています。
加湿し過ぎることによる弊害
冬場では室内温度と外気温の差が大きくなり、外が寒い状況に室内の湿度が高すぎると窓に大量の結露を発生させてしまう恐れがあります。
また、冬場だけではなく夏場などの暑い時期の場合でも冷えたグラスやペットボトルの表面に多くの水滴が付着し、この現象が壁面にも同様に発生する場合がありますので、水滴による汚損に繋がってしまう可能性があります。
さらに、室内の水分量が多くなることにより、汚れだけではなく壁紙にも悪影響を及ぼす可能性もありますし、空気の流通が悪いなどの要因が重なるとカビの発生を促進させてしまう恐れもありましので、それらを防ぐためにも過度な湿度の上昇は避けるようにしてください。
加湿器に採用されている方式別の特徴
現在までに発売されている加湿器は、大きく分けて4つの方式が採用されており、それぞれの方式によって特徴が異なっていますし、メリットやデメリットなども違っていますので、加湿器を選ぶ上での一つの指針に繋がっています。
そこで、ここでは加湿器に採用されている4つの方式を紹介し、その方式の特徴やメリット・デメリットなどを紹介していきます。
気化式加湿器の特徴
気化式加湿器は、水をフィルターに透過させてファンの風を当て、水を気化させることで加湿する方式となっており、熱を加えることなく水を蒸気に変換させるので室内温度を上昇させることはありません。
それとは逆に、室内温度よりも低い湿気がファンの風によって放出されることにより、室内の空気が冷やされて室内温度が若干低下する場合があります。
この基本的な特徴を踏まえてのメリットは、電力消費はファンを動かすだけとなっていますので、電気代が低く抑えられるという経済的なメリットがあります。
しかし、気化式加湿器は広い空間を加湿することが苦手となっており、使用する場所によっては加湿能力に不満を感じてしまう場合があります。
蒸気式加湿器の特徴
蒸気式を採用している加湿器は、その名の通り水を蒸気に変換させて加湿する加湿器となっており、加湿器の内部に電熱装置が搭載されていて水を強制的に蒸発させる仕組みとなっています。
また、ファンが内蔵されているモデルはスチームファン式加湿器と呼ばれ、上部に向かう蒸気を一定の向きに送ることができますので、湿度を上げたい箇所を効率的に加湿してくれます。
ちなみに、ファンが内蔵されていない蒸気式加湿器の場合でも、エアコンの送風モードなどと併用して熱と湿気を部屋中に循環させることができますので、工夫次第では効果的な湿度コントロールが可能となっています。
ハイブリッド式加湿器の特徴
ハイブリッド式加湿器は、気化式加湿器にヒーターが内蔵されており、湿度が低下しやすい冬場には電熱装置を稼働させ、そこまで高い加湿効果を求めていない時期などは気化式加湿器のみの働きをするなど、状況に応じて使い分けできる利便性の高さがあります。
さらに、加湿器の運転開始時はヒーターを稼働されて室内の湿度を補い、十分な湿度が保たれた時点でヒーターの運転を停止させることで電気代も抑えられますので、加湿性能と経済的な部分の双方でバランスの取れた方式となっています。
また、気化式と蒸気式の両方の性質があることにより、室内温度に影響を及ぼすことも少なくなっていますので、湿度だけを調整することにとても適した加湿器でもあります。
超音波式加湿器
超音波式加湿器は、水を超音波による振動で微細な粒子にしてから送り出す方式となっており、水タンクと振動装置が主体となって構成されている比較的に簡易な作りになっています。
そんな超音波式加湿器は、お手頃な価格で販売されていることが多く、気軽に取り入れられる加湿器となっていますし、消費電力も小さいという特徴がありますので、経済的なメリットが大きい加湿器となっています。
一方、超音波式加湿器にはデメリットと言える部分も存在し、超音波式加湿器は水を加熱したり気化されたりするわけではなく、微細な粒子にした水を撒き散らすだけとなっていますので、水に含まれたミネラル成分や細菌などを空気中に飛散させてしまうことになります。
そのため、室内に付着したミネラル成分が白い粉として浮き出てきてしまうという懸念もありますし、長期間タンクに貯めた状態の水は菌の繁殖元になってしまう場合があり、その水を噴射することで肺炎に繋がってしまう可能性もありますので、製品のメンテナンスには細心の注意が必要です。
特に、新生児や高齢者の居る家庭では注意が必要で、そういった家庭で改めて加湿器を購入する際は超音波式加湿器を避けて選ぶことをおすすめします。
このように、超音波式加湿器を使用することで健康被害に繋がってしまう可能性があるのですが、超音波式加湿器の中には純水装置などが搭載されているものもあります。
しかし、超音波式加湿器は低価格を売りにしている場合が多く、純水装置などを搭載している製品は価格も高くなってしまいますので、消費電力の安さと安全性、機能性、利便性、本体価格などを総合的に考慮して加湿器の方式を選ぶようにしてください。
まとめ
加湿器の基本的な情報を中心に紹介してきましたが、加湿器を使用する部屋の広さや加湿器本体の大きさや出力によっても得られる効果は違ってくると思いますので、加湿器の機能性と使用する環境の両方を考慮しながら最適な加湿器を選ぶのが望ましいと思いますし、機能性が充実していて価格の差が少ない製品も中にはありますので、少しでも多くの加湿器を確かめておくこともお得な買い物に繋がる方法となっています。